全地形水陸装甲車BvS 10バイキング

Photo by Sweden Army

BvS10 Viking(Bandvagn 410)はスウェーデン軍やオランダ軍、イギリス軍といった主にヨーロッパの軍が配備する、全ての地形に対応する履帯式の全地形対応型の水陸装甲車です。

概要

BvS10は砂地、岩、山、雪、沼地、北極圏の環境を横断でき、その水陸両用機能により、水上も移動できる全地形対応車(All Terrain Vehicle:ATV)です。開発製造するのはイギリスのBAEシステムズ・ランド&アーマメンツの子会社であるスウェーデンのBAESystems Hägglunds(ヘグランド)。もともとスウェーデン軍のために開発され、1万輌以上が生産された前身のBv.206の後継モデルになりますが、BvS 10はイギリス海兵隊のために開発され、Bv.206とは別ものになります。

BvS 10装甲が強化され、大型化。それを補うようにより強力な275馬力の5.9リッターディーゼルエンジンを搭載し、出力が増加。速度は最大65km/h、水上では5km/h、航続距離は300kmになります。車体は丸みを帯び、エッジの少ないボディはレーダー断面積を最小限に抑えています。装甲は7.62mm徹甲弾を弾き、10m離れた152mm砲弾の破片を防ぎ、対戦車地雷に対する保護が強化されています。

車輛はC-130ヘラクレスとC-17グローブマスターといった輸送機に搭載でき、CH-47チヌークヘリでロープに吊り下げて運ぶことも可能です。

二両編成の車輛

BvS 10はステアリング機構によってリンクされた2輌の車輛で構成され、2つの車輛は起伏の多い地形での走行のために垂直方向と水平方向に連結されています。最大重量は車輌5トン、積載5トンの計10トンになりますが、2両編成にしたことで重量は4つの履帯に分散。これにより、接地圧が最小限に抑えられるため、雪、泥、砂などの柔らかい地形でも優れた機動性を維持します。2両編成にしたことで車両は小型で且つ、連結部分が折り曲がることで小回りが利き、複雑な地形も苦にしません。各車輌がそれぞれエンジンを積んでおり、仮にどちらかが走行不能に陥っても一方が生きていれば走行が可能です。

モジュール式

一輌目にはドライバーと3人のフル装備の兵士を収容します。2輌目はモジュラー式でミッション要件に応じて換装が可能です。兵員輸送タイプは8人の完全装備の兵士を収容します。火力支援タイプでは迫撃砲、12.7mm重機関銃、40mmグレネードランチャー、ミラン対戦車ミサイルといった様々な武装を搭載でき、これらはリモート武器ステーションとして機能します。1輌目と2輌目との間は双方向音声通信ユニットによってリンクされ、どちらもエアコンが完備されています。

2005年にイギリス軍に配備されてい以降、現在、オーストリア、フランス、オランダ、スウェーデンの軍がBvS10を採用しています。

https://www.baesystems.com/en/product/bvs10

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