中国の05式水陸両用戦闘車(ZBD-05)は世界最強と言われています

海岸からの上陸作戦に欠かせない水陸両用車。水陸機動団が使うAAV9や米海兵隊のACV、ロシアのBMD-4Mなどがありますが、この分野で現在、最強といわれているのが、中国の05式水陸両用戦闘車(ZBD-05)です。

概要

ZBD-05は、中国大手の軍需企業”中国北方工業集団公司 (NORINCO)” が人民解放軍海軍陸戦隊 (PLAMC) 向けに製造する水陸両用歩兵戦車です。63式水陸両用戦車、77式水陸両用装甲兵員輸送車を更新する形で開発され、高い機動力と攻撃能力を兼ね備えています。ZBD-05には攻撃車両、歩兵戦闘車、緊急修理車両、コマンド車両があり、装備の組み合わせにより12以上のバリエーションを持ち、様々な局面に対応します。

最速の水陸両用車

ZBD-05の特筆すべき点は水上でのスピード、機動力です。ZBD-05の水上での最高速度は45km/hと言われており、高速ボート並みのスピードをほこります。これは1600馬力の高出力ディーゼルエンジンと2つのウォータージェット、海上航行する際に6つのダブルロードホイールを車体に格納し、水の抵抗を減らすことで実現しています。水陸両用車の場合、水上での速度が1km上がるごとに、敵の海岸線からの攻撃に当たる確率が約5%低下すると言われています。このスピードは揚陸艦から発艦後、速やかに海岸に上陸するともに、車両の生存率を上げる事になります。ちなみにAAV7の最高速度が13km/h、米軍最新鋭のACVが11km/hとなり、その差は歴然です。

航続距離は500kmと長く、地上でも65km/hのスピードに高さ70cmの障害物、2mの塹壕を走破し、上陸後も速やかな展開を可能にします。

高い攻撃力

砲塔には、非常に高い発射速度の30mm機関砲と、同軸の7.62mm機関銃が装備されています。砲塔の両側には、改良されたRed Arrow-73A対戦車誘導ミサイル4発が搭載されています。最大有効射程は4000メートルです。上陸を阻止する敵主力戦車を撃破します。

戦車タイプの05式水陸両用戦車(ZTD-05)

ZBD-05ファミリーには戦車タイプの05式水陸両用戦車(ZTD-05)があります。これは砲塔に105mm砲が搭載されており、装弾筒付翼安定徹甲弾 (APFSDS) 、榴弾 (HE) 、成形炸薬弾 (HEAT)、ロシアの9M117を応用して中国が開発した105mm対戦車レーザー誘導ミサイル (ATGM) といった様々な弾頭が発射できるなど軽戦車並みの火力があり、2,000先の装甲車を破壊します。最新の射撃管制システムにより、海上からでも移動するターゲットを射止めます。

通常のZBD-05の場合、運転手2人の他に7人のフル装備の海兵隊が乗れますが、ZTD-05の場合は司令官、運転手、砲手、装填手の4人のみになります。ZTD-05はVN16という名で海外輸出もされており、タイやベネズエラが採用しています。

ZBD-05ファミリに―には標準装備として、衛星ナビゲーションシステム、暗視装置、サーマルサイト、NRBC(核、放射線、生物学、化学)保護システム。射撃管制コンピューター、レーザー距離計が装備されています。装甲にはアルミニウム合金と複合装甲を採用。自動消火システム、発煙弾発射機と共に乗員を保護します。

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