先日、ロシア軍の最新型戦車T-90Mを破壊したことで一躍注目を浴びたカールグスタフ無反動砲。カールグスタフは1948年から使用される歴史の長い兵器ですが、改良を繰り返してきた同兵器は未だ戦場の脅威であること示したわけですが、更に新しい榴弾「HE448」を手に入れることで、カールグスタフはより戦場の脅威となります。
威力、射程ともに拡大した新しい弾薬
スウェーデン国防省はカールグスタフの開発元である同国の軍事企業SAAB・ボフォース・ダイナミクス社に対し、カールグスタフ用の新しい弾薬HE448の注文を行いました。HE448はカールグスタフの最新モデルであるM4(米軍ではM3A1、米海兵隊ではM3E1)で使用される弾薬になります。契約額は総額8000万ドル、期間は10年に及ぶ長期契約です。契約の中にはHE448の他に新しい射撃管制装置FireControl Device(FCD)558と光学機器が含まれます。
これまでのHE441弾と比較してHE448は軽量化され、最大射程は1000mから1200mに拡大。破片領域も400平方mに拡大するなど、有効範囲、威力共に増加しています。点火はプログラム可能で遅延信管、エアバースト機能を有します。
正確な射撃を手助けするFCD558
HE448はFireboltと呼ばれる新しいプロトコルを使用してFCD558と通信、装填した弾薬のタイプと推進剤温度に関する正確な情報を送信、これをオペレーターが入力した目標距離と組み合わせて、最適な弾道を決定。無誘導弾のHE448ですが、オペレーターは素早く狙いを定めることができ、初弾から正確な射撃を提供、運用効率を向上します。
スウェーデン軍への配達は2023年から予定しており、同兵器を配備する米陸軍、米海兵隊も近い内に採用きめるでしょう。
Source