ドイツの軍需企業のラインメタルは、軍用トラックHXシリーズの最新世代である「HX3」を発表しました。
HXシリーズはラインメタルのグループ会社である”ラインメタル・MAN・ミリタリービークル（RMMV）”が開発製造する軍用トラックで、陸上自衛隊の”19式装輪自走155mmりゅう弾砲”で使用されるなど 世界20カ国で使われる世界でも最も成功した軍用トラックの一つです。HX3はその最新モデルですが、前身のHX2の単純なバージョンアップではなく、完全に再設計された未来型軍用トラックになります。革新的な新技術を駆使して現代の軍事および自動車のメガトレンドに対応しています。強固な保護能力、改善された移動性、向上された運転快適性、ならびに運用の柔軟性と将来の性能向上のために組み込まれたデジタルインターフェースアーキテクチャによって、より大きな性能向上を期待することができます。同時にHXシリーズと前身のHX2のコアとなる重要なコンセプトは引き続き継承されています。
概要
前世代と同様に、新しいHX 3世代の車両は市販品ベースにした軍用製品（MOTS）ですが、最も過酷な条件下、軍事使用に耐えるために妥協することなく設計されています。堅牢なシャーシとパワフルなエンジンに加えて、新しいアクティブリアアクスルサスペンションがオプションとして提供され、オンロードとオフロードの両方で車両の性能を大幅に向上させています。
新しいHX3世代は、ロジスティック運用と戦術シナリオの両方のために設計されたプラットフォームの概念を具体化しています。HX3は利用用途に応じて車輪のタイプを4×4、6×6、8×8、10×10で選択でき、優れたバリアントとシステムの多様性を特徴としています。完全に自動化された荷役システム（ALHS）やユニバーサルトーション耐性サブフレーム（UTRS）などの新しいシステムは、従来のロジスティクスの役割をさらに促進します。
HX3は多用な兵器およびレーダーシステムのシステムキャリアとしてこれまで以上に機能することができます。たとえば、今後数年間で更に重要性を増す可能性が高いトラックベースの砲兵システム（装輪自走砲）が含まれます。新しく開発された砲兵トラックインターフェース（ATI）と組み合わせることで、HX 10×10は様々な砲兵ソリューションまたは同様のシステムの標準ベースとして将来的に利用される可能性があります。
完全に再設計されたキャブにより、HX3は操作性と乗員保護をさらに向上させ、様々な支援システムは、現場に配備された兵士及び民間人の日常業務における安全性の向上を保証しています。新しい電子・電気アーキテクチャのEmergency Brake Assist (EBA) 、Adaptive Cruise Control (ACC) 、Lane Departure Warning (LDW) などの支援システムと組み合わせることで、自動運転など車両の未来の生存性を保証します。標準化されたインターフェースのおかげで、トラックの隊列走行やその他の自動化アプリケーションなど、将来利用可能になる技術を統合することも可能になります。
オプションとして、HX3トラックには、保護レベルをモジュール式に強化できる装甲キャブを装備できます。さらに、従来のカモフラージュに加えて、新世代の車両はデジタルステルスモードを備えています。必要に応じて、すべてのデータ送信および受信機能をオフにして、車両のデジタルサインを減らすことができます。強化されたルーフは自衛用の重火器を備えた兵器ステーションのためのスペースを提供します。オプションとして、防煙システムのRapid Obscuring System（ROSY）や対戦車ミサイルから保護するActive Defense System（ADS）など、追加のアクティブ・パッシブ保護システムを利用できます。
HXシリーズは世界中で15,000台以上の車両が稼働しており、グローバルサービスネットワークにより、メンテナンス、ロジスティクス、トレーニングは容易で長い耐用年数と迅速な補給とサポートが保証されます。国際的な主要HXユーザーには現在、ドイツ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、オーストリアが含まれています。
Source
https://www.rheinmetall.com/en/rheinmetall_ag/press/news/latest_news/index_24704.php