米陸軍は、旧式化とシステム上の問題により、ストライカーシリーズの自走砲モデルであるM1128 ストライカーMGSの運用を来年2022年中に中止すると発表した。
プレスリリースによるとストライカーMGS廃止の決定は、包括的な分析により、古い主砲と自動装填装置(オートローダー)の陳腐化、システム上の問題が明らかになったためとされている。現在のストライカーMGSの自動装填装置の維持費は高価で、防御設計も即席爆発装置(IED)と対戦車地雷に対して不十分であり、ストライカーMGSは「時代遅れ」であると告白している。米陸軍副参謀長のジェイムズ・パスカレッタは「陸軍は、将来必要とされる能力をストライカー旅団に提供するため、致死性に関連する計画を継続できるように陸軍が最大限の努力を払った」と強調した。
2000年初頭に開発されたM1128 ストライカーMGSは、オートローダーを備えた最初の米陸軍システムだった。それから約15年間、装輪式の機動力と強力なM68 105mm戦車砲を用い、敵の掩蔽壕、機関銃、狙撃位置を制圧することによって歩兵部隊の侵攻を援護してきた。しかし、時間の経過とともに維持に費用がかかるようになる。さらに、ストライカーMGS提供する致死能力は平底シャーシに基づいており、即席爆発装置や対戦車地雷などの最新の脅威に対して脆弱だったシステムがアップグレードされることはなかった。
ストライカーMGSの懸念と脆弱性を検討した後、陸軍当局者は、ストライカー旅団の致死性、生存性、機動性、保守性を改善するための他の実質的な近代化の取り組みに投資することを決定する。米軍は今後、 限定された数のストライカーMGSよりも優れた分散能力を提供する ことができる、中規模武器システム、遠隔操作兵器ステーション、 ジャベリン対戦車ミサイル 、対戦車誘導ミサイルの更新、30 mm砲など、より高度な殺傷能力の実現に力を注ぐと述べている。
M1128 ストライカーMGSはこれまで142輌が生産されたが、長い間生産は停まっていたため、運用停止によってサプライチェーンに影響を与えることはない。また、142輌のストライカーMGSはスクラップではなく売却を予定している。運用停止によって空いた部分にはストライカーシリーズの別の車輛を当てる予定だ。
Source
https://www.army.mil/article/246274/army_announces_divestiture_of_the_stryker_mobile_gun_system