フィンランドのパトリア社が開発するPatria NEMO(パトリア・ネモ)は120mm迫撃砲を搭載した自走式迫撃砲だ。そのフォルムからも分かるようにNEMOは最新鋭の自走式迫撃砲でもある。
概要
NEMOは、現代の戦争や危機対応のニーズに対応するために開発された自走式迫撃砲システムだ。開発するのはフィンランドの軍需企業パトリア社。2006年に初めて公開され、2007年に開発が完了した。搭載するのは大型の120mm迫撃砲。複数ラウンド同時射撃(MRSI)システムを搭載し、ほぼ同時に6発の砲弾を対象に命中させることもできる。迫撃砲であるため、基本は間接攻撃だが、この1,900kgの砲塔は360度の完全なトラバースと、-3度から85度までの砲塔の仰俯角、レーザー距離計、熱画像装置を駆使して水平射撃といった直接攻撃も可能だ。最大射程は約10km、弾薬は50〜60発搭載できる。車両は最大時速100km、最大航続距離800kmと高い機動力を擁する。装甲は砲弾、地雷、IEDの脅威や戦場の汚染物質から乗組員を保護する。
Patria NEMOはAMV8x8装甲兵員輸送車をベースにしているが、独立した砲塔でもあり、他の車輛や艦船にも搭載することができる。
移動しながらの砲撃が可能
2021年1月には移動中の射撃能力が完成したことを発表した。これにより、パトリア・ネモは絶えず動きながら、標的を正確に捉え、移動中も射撃を停止させない。敵にとっては射撃地点を検知しても反撃が難しくなる。
遠隔操作による射撃が可能
Nemoの前方監視システムとセンサーは、標的を特定し、戦場の状況を完全に把握する。それらの情報は戦術データネットワークを介して指令センターに送られる。射撃制御システムは、その戦術データネットワークを介して指令センターの部隊がデータを基に正確な射撃を実行する。
https://www.patriagroup.com/products/mortar-systems-120-mm/patria-nemo-mortar-system