中国メディアは中国人民解放海軍 の陸戦隊が15式軽戦車(ZTQ-15)を採用したと報じました。15式軽戦車は2018年に開発が明らかになり2019年の北京での軍事パレードで初めて初披露目されていた軽戦車で99式主力戦車と並び地上部隊の主力となるとされ、既にイエメンでの戦闘任務に参加したことがあり、インドとの最前線に配備されいます。
山岳戦に強い
15式軽戦車は可変油圧サスペンションが装備されており、山岳地帯での軍事作戦に大きな利点をもたらすとされており、ヒマラヤ地帯を中心とする国境警備に適した車両とされています。サスペンションと33トンという軽量な車体、強力なエンジンを搭載し、機動性に優れており、過酷な気象条件と地形に加えて、市街地でも運用できるなど対応力に優れた戦車とされます。2020 年 6 月インドとの国境で衝突が起きた際には200輌の15式がチベット軍管区に輸送され、中印国境地帯に配備されています。一般的にその複雑な地形と気候から山岳地帯では通常の主力戦車の運用が難しいとされ、歩兵と小火器での戦闘がメインになりますが、15式を投入することで有利に戦闘が進められます。インド軍は15式に対抗するために軽戦車の購入を検討しています。
上陸作戦の主力
しかし、今回配備されたのは中国版海兵隊といわれる海軍の陸戦隊です。軽量の15式は小型の上陸用舟艇に搭載が可能で、輸送機やヘリコプターでの輸送も容易で、おそらく空中投下も可能かと思われます。中国のY-20輸送機であれば一度に2輌搭載できます。主力戦車のように前線を張る防御能力はなく敵主力戦車と対峙した時は不利ですが、その展開力と機動力で海軍・陸戦隊の離島攻略おける主力になるとされ、海洋進出を強める上で軍事力を強める狙いがあるとされます。軽戦車ではありますが、複合装甲を備え、105mm砲を搭載。更に今後、対空ミサイルの搭載を予定しており、防空能力を保持するなど高い戦闘能力を得る予定です。中国メディアでは台湾上陸作戦の際の海岸防衛ラインを突破する有効な手段と報じています。