フランスのブログ「Blablachars」に2020年9月15日に掲載された記事によると、アラブ首長国連邦(UAE)は、自国が保有しているルクレール主力戦車をヨルダンに寄付することを決定したという。UAEには388輌のルクレール戦車があるとされ、その内80輌をヨルダンに寄付するという何とも気前のいい話だ。
ヨルダン戦車大隊に配備
この80輌はヨルダンの第3機甲師団の4個戦車大隊のうち2個大隊へ配備されることになる。この大隊は実際には2つの旅団から構成されており、第1旅団ことフセイン国王第40装甲旅団は、第2戦車大隊(王立戦車大隊)と第4戦車大隊(アリ・ビン・アル・フセイン)からなる。第2旅団ことハッサン王子第60機甲旅団は第3王立戦車大隊と第5王立戦車大隊からなる。この2つの旅団は2018年にヨルダン中央軍司令部に移管されている。これらの部隊は現在、ショット(センチュリオン) 、M60A 1、ハリド (チーフテン) 、アル・フセイン (チャレンジャー1) といった第一世代、第二世代といった古い戦車を装備している。
中東の安定のため
ブログでは今回の決定はヨルダンとUAEの良好な関係と、UAEがイスラエルとの国交正常化と和平合意によるものされている。ヨルダンはイスラエル・パレスチナ、シリア、イラクといった不安定な国に囲まれており、その中でヨルダンは安定しており、周辺の均衡を保つ存在だ。ヨルダンに何かあれば、中東情勢は混迷を極めることなる。またイスラエルは隣国のヨルダン、シリアと敵対する中、ヨルダンとは和平合意を結び、良好な関係を気づいており、ヨルダンの安定はイスラエルにとっても重要課題だ。
シリアやイラクはT-90といったヨルダン軍の戦車よりも近代的な戦車を多数保有している。
UAEのルクレール戦車
ルクレール戦車は1990年にフランスの国営企業GIAT社(現在のネクスターシステムズ)が開発した第3、および第3.5世代の世界で最も近代的な戦車の一つ。UAEには湾岸戦争後の1994年に就役した。1993年、UAEはフランスのGIAT社と40億ドルの契約を結び、ルクレールMBT388台、ドライバー・トレーニング・タンク2台、ルクレールMBTシャーシをベースとした装甲回収車48台を含む436台の戦闘車両を購入した。2003年にはフランスのギアット・インダストリーズ社との間で、数百基のルクレール戦車のアップグレードが締結された。最近では、サウジ主導の連合軍の一環として、イエメンでの作戦に対抗するために70輌のルクレール戦車を配備した。
ブログでは、UAEからヨルダンへの戦車の寄付は、ルクレール戦車を採用するフランス、UAEの3カ国におけるルクレールMBTの性能向上のための新たな相乗効果を生み出すことができると主張している。UAEにはまだ約300輌が、フランスには約200輌のルクレールがある。
タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.362 フランス主力戦車 ルクレール シリーズ2 プラモデル 35362
https://blablachars.blogspot.com/2020/09/des-leclercs-emiriens-pour-la-jordanie.html