中国人民解放軍の新型中戦車(20式?)が登場

PLA

2025年9月3日に開催される中国の抗日戦争勝利80周年記念軍事パレードに向けて、北京市内では多数の軍事車両の輸送が確認されており、その様子が中国のソーシャルメディア上で活発に共有されています。これらの投稿の中には、これまでには見られなかった新型戦車の姿も捉えられており、軍事専門家や愛好家の間で大きな注目を集めています。

次世代軽戦車(20式戦車と推測される新型車両)

今回特に目を引いたのは、その新型戦車です。この戦車の砲塔は、中国の主力戦車である96式戦車や99式戦車と比較して明らかに小型であり、そのサイズから主力戦車クラスではなく、軽・中戦車に分類されるものと考えられています。この特徴から、既に配備されている15式軽戦車の次世代モデル、すなわち第4世代軽戦車ではないかとの推測がなされており、非公式ながら「20式戦車(ZTZ-20/201)」の名称で噂されています。

15式軽戦車

現行の15式軽戦車は、その重量が約33トンと非常に軽量であるため、ヘリコプターによる空輸や空中投下が可能という優れた戦略的輸送能力を持っています。また、可変油圧サスペンションを装備しているため、山岳地帯のような険しい地形でも高い機動性を発揮し、主にヒマラヤ山脈を中心とする中印国境地帯に重点的に配備されています。

しかし、今回確認された20式と目される新型戦車は、15式よりもやや重く、約35トンから40トンの中戦車に近い重量を持つとされています。主砲には、高い破壊力を持つ105mm砲を搭載。さらに、対戦車ミサイルや機関銃といった副武装も備えており、多角的な戦闘能力を確保しています。

動力源としては、1,500馬力の高出力パワーユニットを採用。特筆すべきは、ディーゼルエンジンとバッテリーシステムを組み合わせたハイブリッド推進システムが導入されている点です。これにより、燃料効率の向上と同時に、静粛性の向上、さらなる機動性の強化が図られています。整地では最高速度80km/h、不整地でも50km/hという高速性を実現し、迅速な展開と離脱を可能にしています。

乗員は基本的に3名ですが、AIによる高度な自動化と自律走行機能、そして無人砲塔の採用により、最小2名での運用も可能とされており、人員の負担軽減と効率的な運用が期待されます。

高度な防御・索敵システム

Weibo より

この新型戦車の砲塔周囲には、4基のフェーズドアレイレーダーが搭載されており、360度の全方位探知能力を誇ります。これにより、あらゆる方向からの脅威をいち早く捕捉することが可能です。さらに、車体にはレーザー警報システムも備えられており、敵からのレーザー照射を即座に検知し、乗員に警告を発します。

防御面では、砲塔上部に2基の4連装アクティブ防護システム(GL6 APS)が搭載されています。このAPSは、飛来する敵のミサイルやドローンなどの脅威に対し、グレネードを発射して迎撃・破壊する能力を持っています。特に、APSは仰角を大幅に増加させることが可能で、上空・トップアタックからのミサイル攻撃やドローンによる奇襲攻撃に対する迎撃確率を飛躍的に高めています。

砲塔の遠隔操作兵器ステーションには、高精度な光学/レーザーシーカーが搭載されており、特に低速で飛行するドローンなどに対する迎撃率の向上に貢献しています。

多様なバリエーションの可能性

この新型戦車はモジュール設計が採用されているとされており、異なる任務に対応するための多様なバリエーションが存在する可能性が指摘されています。例えば、砲塔を40mm機関砲に換装した歩兵戦闘車(IFV)の派生型も存在すると噂されています。しかし、これらのバリエーションの具体的な性能や能力については、まだ多くの謎に包まれており、今後の情報公開が待たれます。

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