ロシア軍の戦略ミサイル軍の演習でミサイル車両を警備する形で最新の地雷除去車の「15М107 Foliage(フォウリィジ)」が登場した。この車輛、マイクロ波を照射することで設置された地雷を遠隔から起爆させる画期的な地雷除去車になる。
戦略ミサイルを護衛する地雷除去車
カザフスタンに近いバルナウルに展開する戦略ミサイル軍はミサイルユニットの護送車輛に新しい車両「15М107 Foliage(フォウリィジ)」を導入した様子を公開した。Foliageは戦略ミサイル軍のために開発された地雷除去車で”RT-24 Yars”、”RT-2PM2 Topol-M”、”RT-2PM Topol”といった戦略ミサイルを運ぶ移動式地対地ミサイルシステム(PGRK)を保護するために開発された。2021年4月に公開された映像では、Yarsを運ぶ車両を先導する形でFoliageが走る姿が映し出せれた。
マイクロ波で地雷を起爆させる
映像では突如、Foliageの数十m先が爆発する様子が映し出されていたが、これはFoliageの遠隔起爆によって埋設されていた地雷が爆破された様子だ。地雷除去車の地雷除去にはいくつか方法があり、主に威力が小さい対人地雷を掘り起こしたり、粉砕して除去する高速カッターやローラー。地雷源に地雷除去導爆線を放出して起爆させる方法などがあるが、Foliageの処理方法はマイクロ波を使用する。
Foliageにはパラボラアンテナ風の巨大なマイクロ波放射装置が車両上部に搭載されており、そこからマイクロ波を照射。マイクロ波を浴びせることで地雷・IEDの信管が過熱させ起爆、もしくは焼き尽くして信管を無効化させる。範囲90度、最大100メートルの距離にある地雷を無力化することができる。マイクロ波は常に照射されているわけではなく、車両には金属要素を備えた地雷爆発装置(IDU)を検出する金属探知機が搭載されており、時速15km/hの速度で走行しながら、地雷や爆発物を検知すると車両は自動的に停車するので、発見後に照射する。
全ての地雷がマイクロ波で確実に除去できるわけではなく、ラジコンによる遠隔操作や手動による除去にも対応するが、手動で爆発物を解除している時に遠隔操作で起爆されないように最大70mの範囲で電波をブロックする電子抑制装置も搭載されている。
マイクロ波は人体に害を及ぼす
車両は正面に運転手と指揮官、その後ろに機器を操作するオペレーター、その後ろに2人の工兵、計5人がそれぞれ区画に分かれ乗車している。車体は乗員がマイクロ波の影響を受けないよう保護されているのと、乗員は影響を防ぐための金属糸が縫い付けられた防護服を着用する。もし、人間がマイクロ波の照射を受けると人間の水分を急速に加熱され、痛みを引き起こし、長時間受けると火傷を負う事もある。嘔吐など体調不良を引き起こした事例もあるので、使用する際は人の有無の確認など注意は必要だ。
Source
https://rg.ru/2021/04/04/reg-sibfo/rabotu-svch-pushki-rvsn-pokazali-na-video.html