AMPV多用途装甲車両

AMPV 米軍の新型装甲兵員輸送車
出典:米陸軍(us army)

Armored Multi-Purpose Vehicle(多用途装甲車両)ことAMPVは、米軍が1960年代のベトナム戦争時代から運用され続けてきた装甲兵員輸送車M113ファミリーに代わる米国陸軍の新しい車両プログラムです。

経緯

M113
Photo by Sgt. David Nye

M113(写真上)は1960年のベトナム戦争から装甲兵員輸送車として長年使用されてきました。しかし、軽装甲であり、地雷やIED(即席爆発装置)に弱く、紛争地帯、前線において兵員を安全に輸送することが難しくなります。1980年代からはM2ブラッドリー戦闘車が前線での役目を担う事になり、M113は後方任務が主になります。しかし、M2ブラッドリーは高価で汎用性にかけ、その後、開発されたMRAP(耐地雷・伏撃防護車両)はペイロード、オフロードの走行能力が欠けていました。

タミヤ 1/35 No.40 アメリカ陸軍 M-113 装甲兵員輸送車 プラモデル 35040

米陸軍は機甲旅団戦闘団(ABCT)に随伴できる機動力とオフロード走行性能を持ち、且つ歩兵戦闘車よりも低コストで調達できる装甲車両を求めます。そこで開発が始まったのがAMPVです。AMPVはM2ブラッドリー(写真下)の車両システムを踏襲することで開発費を抑え、メンテナンスコストを抑えました。

2014年にM2ブラッドリーの開発製造元であるBAEシステムズが受注し、2015年に総額107億2,300万ドルで2,897台の製造契約を受注します。2019年9月に初の量産版を米軍に納入しました。

タミヤ 1/35 No.132 アメリカ陸軍 M2ブラッドレー 歩兵戦闘車 プラモデル35132

AMPVのスペック

AMPVは機甲旅団戦闘チーム (ABCT) の将来にとって必要不可欠であり、陸軍の約24にも及ぶテストをクリアした、保護、機動性、信頼性、相互運用性に関する戦略を満たす車両です。兵士の安全と生は最優先事項と位置づけており、米軍の厳しい保護要件を満たしています。また、ABCTの要であるM1エイブラムス戦車とM 2ブラッドリー戦闘車と随伴できる機動力を擁します。そしてAMPVの大きな特徴の一つとして汎用性があり、AMPVは5つのモデルによって製造されます。

兵員輸送モデル

AMPV 兵員輸送モデル
© 2020 BAE Systems

一般的なモデルで乗員2人、兵士6人が乗客でき、怪我人用に担架一台を運ぶために車内を変更することも可能です。武装は車体上部には防弾シールドの付いたM249またはM240機関銃を搭載。兵員・物資の輸送、死傷者の移送が主な任務です。

自走迫撃砲モデル

120mm迫撃砲を搭載したモデルで、間接支援攻撃行います。乗員2人、迫撃砲オペレーター2人が搭乗、69発の120mm弾を搭載しています。

戦闘指揮車モデル

サイズ、重量などを制限する代わりに通信、ネットワークおよびコンピュータ機能を大幅に向上させ戦闘指揮車としての能力をに特化したモデルです。乗員は運転手と指揮官、2人のオペレーターが搭乗し、旅団と大隊レベルの戦術指揮所能力を提供します。

救急車両モデル

AMPV 救急車両モデル
© 2020 BAE Systems

救急車両モデルは、乗員3人に医療機器セットが搭載され、応急処置と最大6人の軽傷者、または担架による重傷者2名の運搬、移送が可能です。

医療処置モデル

医療対応車は治療のための医療機器と手術テーブルが搭載されたモデルです。

配備2020年9月
重量3.5~3.6t
速度54~61㎞/h
行動距離362km
搭乗者数乗員2~3名+兵士最大6名
武装M240・M249機関銃またはM2・MK-19迫撃砲
価格370万ドル

https://asc.army.mil/web/portfolio-item/gcs-ampv/
https://www.baesystems.com/en-us/product/armored-multipurpose-vehicle-ampv

AMPV 米軍の新型装甲兵員輸送車
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