ブルガリア議会、大統領の拒否権を無効化し、ウクライナに100両のBTR-60装甲車を供与

ブルガリア議会、大統領の拒否権を無効化し、ウクライナに100両のBTR-60装甲車を供与
US Army

ブルガリア議会はルメン・ラデフ大統領が拒否権を発動したウクライナへの軍事支援法案を賛成多数で再可決し、100両のBTR-60装甲車の供与を決めた。

ブルガリア議会は今年8月、古くなった100両のBTR-60装甲兵員輸送車をウクライナへ供与する軍事支援法案を起案、まず、議会で署名され、11月にはキーウで署名され、可決された。しかし、ブルガリアで大きな政治的議論を引き起こすことに。ブルガリアはNATO加盟国であり、ウクライナの支援国の一つであるが、元空軍司令官であるルメン・ラデフ大統領はロシアに対し、友好的な姿勢をとっており、この法案に対し、拒否権を発動。法案を差し戻した。しかし、議会は再び装甲車両譲渡をする法案を3分の2以上の多数を占める162票で再可決し、更にウクライナに対空兵器を提供する新たな法案も147票で可決した。新しい法案はウクライナの防空能力を強化することを目的としており、現在ブルガリア軍が保有している旧式または余剰の携帯型対空ミサイルシステムと対空ミサイルをウクライナに供与しなければならず、国防大臣は軍の装備リストを見直し、供与する兵器をリストアップする任務を負うことになった。これ以上、拒否権を発動することは大統領にとっても政権を維持する上では好ましくなく、法案は実行される見通しだ。

BTR-60

戦後の1950年代にソ連で開発された装輪式の装甲兵員輸送車。ライセンス生産も含め述べ25000台が生産された。後継のBTR-70/80/90が登場し、ロシアでは退役したが、旧ソ連、途上国の多くの国では現在でも運用されている。装輪式ということもあり、機動力が高く、整地での最大速度は80km/h、走行距離は500km。水陸両用で水上を10kmで移動する。車長、操縦手の他、8名の歩兵が乗車できる。武装にはKPVT 14.5mm重機関銃とPKT 7.62mm機関銃を搭載。車体重量は10t程と軽いが、その分、装甲は弱く、装甲厚は5~9mmしかない。

Source

​In Bulgaria, Decision to Freeze Supply of BTR-60 APC to Ukraine was Called a “Shame” But There’s Hope to Overcome It | Defense Express (defence-ua.com)

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