カナダはウクライナへの追加支援としてM777 155mm榴弾砲4門とそれに使用する長距離・精密誘導弾のM982 エクスカリバー誘導砲弾を提供しました。
東部でのロシアとの激しい地上戦を控えるウクライナ軍にはNATO各国から多くの重火器、地上兵器が支援されており、特に目立つのが長距離射程を持つNATO規格の155mm榴弾砲です。カナダはM777 155mm榴弾砲4門(アメリカは90門送るが、カナダは39門しか持っていない)と砲弾をウクライナへの追加支援として送りましたが、砲弾の中には高精度の長距離砲弾M982 エクスカリバーが含まれています。
エクスカリバー誘導砲弾等
M982エクスカリバー弾はGPSによって誘導される誘導弾でミサイル並みの高精度な攻撃を行える精密弾です。一般的な榴弾砲は敵がいる位置のUTM座標に基づいて砲撃を行いますが、風などの影響で着弾地点がずれたりしますが、エクスカリバーは発射されると安定翼が展開し、GPS誘導によって指定された場所に着弾するように軌道を調整します。2007年、イラクで初めて実戦導入され、約92%が標的の4m以内に着弾するという高い精度をしまします。有効射程はM777の通常弾が最大30kmなのに対し、エクスカリバーの射程は40kmと長く、最大60kmの距離を狙うことができます。2020年4月にはM1299自走砲とエクスカリバー弾、加圧推進剤を使用したXM1113シェルを組み合わせることで、70kmの超長距離射撃に成功しています。
Photo by Ana Henderson長距離攻撃には通常、ミサイルといった精密誘導弾を使用するが米陸軍はM1299自走砲とM982 エクスカリバー弾で70km先の標的に直撃させる長距離射撃を成功させた。[…]
ただ、その分単価は高く1発7万ドルほどになり、多用はできず、ウクライナに提供された数は多くはないかもしれません。M982エクスカリバー弾はM777榴弾砲以外にも以外にも、イギリスやイタリアがウクライナに提供するM109 155mm自走砲、オランダなどが提供するPzh2000 155mm自走砲でも使用できます。
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