最新鋭戦闘車M10 Bookerが米陸軍に就役

US Army

アメリカ陸軍は2024年4月18日、最新の戦闘車両M10Bookerの納入式を行い、最初の車両を正式に受領した。M10ブッカーは、陸軍が20年ぶりに採用した新型車両で、軽機動部隊が敵を火力で圧倒することを可能にする。

Army takes delivery of first M10 Booker Combat Vehicle

納入式はアバディーン性能試験場で行われ、晴れてM10 Bookerは陸軍に正式に就役した。M10のBookerという名は2人の故人の英雄に敬意を表して名付けられており、一人は1943年に英雄的行為により死後に名誉勲章を授与されたロバート・D・ブッカー二等兵。もう一人が2003年のイラク侵攻で人命を救った功績により死後、殊勲十字章を授与されたステヴォン・A・ブッカー二等軍曹と2人のブッカー氏を称えたものになり、2人に最大の敬意を表するためセレモニーでは2人の遺族も招待された。

今回、納入式が執り行われたが、実は2月下旬に陸軍はアニストン陸軍補給廠で最初のM10ブッカー車両を受領しており、現在までに、3両の量産型M10ブッカーが陸軍に納入されている。当初の予定では2023年末に最初の車両が納入される予定だったので、3か月ほど遅延していたことになる。今後、M10 ブッカーは第82空挺師団に配備され、数か月に渡って運用テストが行われる。最終的には2025年の夏頃にM10 ブッカー最初の運用中隊が第82空挺師団に誕生することになる。M10ブッカーは最初、月間3両の低レート量産で96両が発注されているが、最終的には504両が生産される予定だ。

M10 Booker

M10 ブッカーは歩兵旅団戦闘団に移動式の保護された直接射撃能力を提供し、敵の軽装甲車両、強化された要塞、および歩兵に対して効果的、持続的な長距離射撃を適用するために開発された戦闘車両になり、米陸軍としては20年ぶりの新型戦闘車両になる。

GDLS社が開発したGriffin II(グリフィン2)がベースの戦闘車両で、主砲には既存の戦車兵が使い慣れたM1A2エイブラムスSEPV3戦車をベースにしたXM35 105mm砲を搭載、CITV (車長用独立熱線映像装置)を備えている。ハッチ部分には12.7mm重機関銃が1基搭載。1両あたりの価格は1,290万ドルとされる。搭乗員は運転手、砲手、戦車長、そして装填手の4人。重量は38トンと軽く、C-130、C-17と複数のタイプの輸送機に乗せることが可能で第82空挺師団に配備されるように空中投下もできる。

100mm超えの口径を持つ主砲、30トン代の重量とその見た目から、M10 ブッカーは軽戦車に分類されがちだが、米陸軍は戦車に定義する事を否定、戦闘車両に分類している。

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