米陸軍は最新の自走砲ERCAの自動装填装置をテスト

米陸軍は、Picatinny Arsenal(ピカティニー・アーセナル)が設計した拡大射程砲システム(ERCA)の自動装填装置(オートローダー)のテストに開始したことを発表した。ERCAはこれまでの自走砲の倍の射程を擁する次世代長距離砲で155mm榴弾砲を搭載するM1299自走砲と合わせて開発が進められている。

木曜日、ピカティニー・アーセナルのプレスリリースによると、ERCAのオートローダーの開発は注目に値するという。ERCAオートローダーの開発により、主砲の発射速度が大幅に速くなり、殺傷力が向上する。将来の砲兵構成においては射撃操作中に必要とされる兵員の数が少なくなり、場合によっては兵員がいなくても済み、それにより兵員の安全性が大幅に向上するからだ。

大砲に装填する際、最高の射撃効果を達成するために適切な砲弾とフューズ(信管)の種類を選択し、必要な距離に到達するための正しい推進剤を選択する必要がある。手順は次のとおりになる。

1.フューズをセット
2.砲身に砲弾と推進剤を装填
3.砲尾の閉鎖機を閉じる
4.大砲を発射する準備

これは、古くから続く砲手の大砲操作のプロセスになる。

オートローダーは、自走砲の装填手によって実行されてきた、これらのタスクを代わりに自動で実行する装置。オートローダーは、装填手より2〜3倍速い発射速度を達成できる。

2018年11月、初期のERCAを搭載したXM1299自走砲は、72 kmの砲撃に成功。これは、米陸軍の榴弾砲の歴史上最長の射程であり、現在、主力の自走砲であるM109の射程の2倍以上になる。2020年12月には70km先の標的への命中に成功している。そして、今回のステップが発射速度を上げることだった。この次のステップは、砲弾と推進剤を区別できる自動装填機を設計することだが、フューズ、砲弾、推進剤の形状、サイズ、重量は異なるため、この作業はより複雑になると思われる。

米陸軍は将来、作戦全体を通して自走砲の隣に砲手が必要がないことを望んでいまる。座標と砲弾の種類が入力されている限り、大砲はタスクを実行し、射撃作戦中に車両に兵員がいる必要がない。

ERCAは、米陸軍の近代化の優先事項である長距離精密射撃(Long Range Precision Fires:LRPF)に組み込まれている。Long Range Precision Fires Cross-Functional Team(CFT)は、最初に自走榴弾砲の射程を伸ばし、次に発射速度を上げる、2段階の能力向上の計画を立てている。このERCA計画はニュージャージー州ピカティニーアーセナルにある米陸軍戦闘能力開発コマンド(DEVCOM)兵器センターが主導している。

関連記事

Photo by Ana Henderson 長距離攻撃には通常、ミサイルといった精密誘導弾を使用するが米陸軍はM1299自走砲とM982 エクスカリバー弾で70km先の標的に直撃させる長距離射撃を成功させた。 […]

Sourece
https://www.pica.army.mil/Picatinny/articles/article.aspx

広告
最新情報をチェックしよう!