米海兵隊、新型水陸両用車両ACVが沖縄に到着、初の兵員輸送上陸演習を実施

米海兵隊、新型水陸両用車両ACVが沖縄に到着、初の兵員輸送上陸演習を実施
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2024年6月18日、米海兵隊は沖縄県に演習のため、新型水陸両用車両ACVを派遣。ACVとしては初の艦船から陸上への兵員輸送上陸演習を実施した。

第15海兵遠征部隊は港湾訪問と演習のため、ドック型揚陸艦USSハーパーズ・フェリーに乗って6月18日に沖縄のホワイトビーチに到着した。24日にはホワイトビーチ海軍施設で行われた演習では揚陸艦に搭載された水陸両用戦闘車両ACVに海兵隊員が乗り込み、船からビーチに上陸する上陸作戦演習を実施した。米海兵隊がACVを使って海外で上陸演習を行うのは初になる。ACVの設計当初の目的である、国外で船から陸地への兵士の移動を遂行した。

「これは私たちにとってはかなり標準的な訓練でしたが、ACV の海外での船から陸への最初の運用であったことを誇りに思います。今後数か月間、他の場所でも訓練を続け、慎重なアプローチをとり、有用なデータと教訓を収集し、最終的には前方展開した両用即応群(ARG)/海兵遠征部隊(MEU)とともに、意図した環境でACVを最も効果的に使用する方法についての理解を深めていきます。」と、第15海兵遠征部隊第1/5大隊指揮官であるニック フリーマン中佐は述べた。

第15海兵遠征部隊は沖縄を訪れる前の5月にはフィリピンで毎年行われるバリカタン訓練に参加。ACVが水陸両用揚陸艦ハーパーズ・フェリーから発進し、海岸の目標に対する攻撃演習を行った。これがACVとしては初の海外派遣であり、そして、今回、沖縄で初の洋上からの上陸演習を行った形だ。洋上の船から発進し、ビーチに上陸するACVは離島が多い、インド太平洋作戦にとって重要なプラットフォームであり、艦艇から陸上への機動性、火力、その他さまざまな機能を提供する。今回、ACVで演習を実施した第15海兵遠征部隊は、横須賀海軍基地に本部を置く米第7艦隊の遠征戦闘部隊である第76任務部隊の指揮下にある。

ACV(Amphibious Combat  Vehicle

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ACVは水陸両用戦闘車を意味する「Amphibious Combat  Vehicle」の略で、1970年代から運用されているAAV7の老朽化に伴い、新たに採用が決定した海兵隊向けの水陸両用戦闘車。BAEシステムとSAIC Terrexによって開発製造されてる。AAV7では履帯式だった走行装置がACVでは大径ホイールの8輪車を採用。米海兵隊は当初反対していたが、8輪駆動にしたことで浜辺といったオフロードでも履帯なみの走破能力を実現し、整地体では最高速度100km/hを超え、給油無しで500kmを走行するなど上陸後に速やかに内陸へ移動できる高い機動力を実現している。装甲は強化され、地雷に対する対策など生存性は大幅に向上。武装は遠隔ステーション化され、20/30mm機関砲や40mm擲弾発射機などが搭載できる。ただ、兵員輸送能力についてはAAV7の最大21人からACVでは13人に減っている。海兵隊は、兵員輸送車 (ACV-P)、指揮統制車両 (ACV-C)、30mm砲搭載型 (ACV-30)、整備回収車両 (ACV-R) という4つタイプのACVを計573両調達する予定で、これまで200両が既に納入されている。しかし、2022年7月の訓練中に高波で2台の車両が使用不能になる事故が発生したことを受けて、ACVの配備は遅延しています。

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