ウクライナ軍はロシア軍から鹵獲した自走式多連装ロケットシステム「TOS–1A」を使用して、燃料気化爆弾をロシアに返却した。
One of the captured TOS-1A flamethrowers, now in Ukrainian services and firing upon Russian positions.
— (((Tendar))) (@Tendar) July 9, 2023
⁰I still consider this weapon system a fail due to its terrible cost-benefit ratio (low range, expensive, primarily good to level civilian centers where you do not expect a… pic.twitter.com/9agFGJQYZg
ウクライナ軍第67機械化旅団ダ・ヴィンチ・ウルブズ大隊の兵士は数日前、ロシア軍から鹵獲したTOS-1A自走式多連装ロケットシステムを使ってロシア軍の陣地を攻撃したと伝えられている。このTOS-1Aはサーモバリック爆薬、いわゆる燃料気化爆弾を搭載したロケット弾を発射する。
弾頭は爆発すると爆発性のエアロゾルをターゲットに吹き付け、それが隙間を貫通して爆発する。このようにして発生する爆風は、従来の弾薬を使用した場合の2倍の強さになる。さらに、爆発中には高温の雲が現れ、爆心地の温度は摂氏800度に達し、爆風と高熱高圧で全てを焼き尽くす。建物内や塹壕に隠れていても、逃れることはできなく、主に対人、拠点制圧に使用される。戦車や装甲車を破壊する威力はないので、対機甲戦には向いてない。
TOS-1Aとは
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— Arab-Military (@ashrafnsier) July 7, 2023
今回使用されたTOS-1A Solntsepek(ソルトセペック)は2001年に開発されたTOS-1シリーズの最新版だ。シャーシにT-72A戦車を使い、砲身数は24発、最大射程は6000m(最短600m)。弾道コンピューター、レーザ距離計、追尾照準器からなる火器管制装置によって自動でランチャーを標準に向ける。発射の制御は自動的に行われ、車両が停止した瞬間から目に見える目標に対して発射する準備ができるまでの時間は90秒である。これらの射撃システムは間接射撃、直接射撃どちらも行う事ができる。数秒間続く完全な一斉射撃は、40,000平方メートルの範囲の敵軍を一気に破壊することができる。ウクライナ軍はこれまで4両のTOS-1Aを鹵獲している。