欧州ロボコンで優勝したイスラエルのREX MK II無人陸上車両システム

©IAI

ドイツ連邦軍が主催する「欧州陸上軍事ロボット試験(ELROB)」でイスラエル航空宇宙産業(IAI)が開発する「REX MK II無人陸上車両システム」が最優秀科学ソリューション賞を受賞した。

ELROBは、主要な防衛企業およびロボット工学企業が一堂に会し、最新の無人地上システムの開発成果を披露する名誉あるイベントで、各国のNATO軍事関係者も訪れる権威あるイベントだ。参加者は、ドイツ連邦軍が設定した困難な環境をナビゲートし、様々な軍事シナリオを遂行する。IAIとドイツ企業のFFGが共同開発した無人地上車両”REX MKII”は、そこで見事、最優秀科学的ソリューションの第1位を獲得した。

REX MKII

REX (ELA-6601) は、移動中の歩兵部隊に多面的なサポートを提供するために設計された無人歩兵戦闘支援システムになる。マルチミッションシステムであるREXは、現代の戦闘シナリオに不可欠な幅広い複雑なタスクを実行できるよう設計されており、戦術的なロジスティクスサポート、最前線への物資の直接配送、戦場情報の収集を伴うISR (情報収集、監視、偵察)活動、その他、様々軍事用途が含まれる。

殺傷兵器システムを運用する性能を備えており、直接戦闘での役割を担う事ができ、また、負傷した兵士を避難させることで戦場での医療活動に重要な役割を果たし、戦闘中および戦闘後の部隊の生存率を向上させる。

REXの主な特徴は走行能力で、最大1.25トンの積載能力と、走行距離300kmのうち約70kmをサイレント モードで走行できる。このシステムはハイブリッド電気システムによるもので、さまざまな地形、気象条件、大気条件で高い機動性を発揮するように設計されている。MV-22オスプレイやCH-47Fチヌークヘリなどの航空機で簡単に輸送できる。
基本はオペレーターによる遠隔操作になるが、自律走行機能を搭載しており、「Follow-me」モードでは歩兵を自動で追跡したり、ミッション要件に合わせて完全に自律的に動作させる事も可能で歩兵やオペレーターの負担を軽減する。センサーやレーダーといった情報収集ツールを搭載する事もでき、状況認識を向上、歩兵部隊の運用能力を高めながら人間の兵士へのリスクを最小限に抑える。

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