最大射程500km!中国版HIMARS「PCH-191」多連装ロケットシステム

最大射程500km!中国版HIMARS「PCH-191」多連装ロケットシステム

ウクライナで活躍するアメリカ製の高機動ロケットシステムM142 HIMARS(ハイマース)。長射程、精密誘導攻撃に手を焼くロシアだが、この手の武器を持っているのはアメリカや西側だけではない。中国人民解放軍が保有するPCH-191式多連装ロケットシステムのHIMARSと同等、それ以上の能力を持っており、大陸から台湾を捉える射程を持っている。

2019年に登場した新しい兵器

PCH-191式多連装ロケットシステム(PCH-191型火箭炮)は2019年10月の中国建国記念パレードで初公開された新しい兵器になる。既に実戦配備はされており、2021年4月にインドとの国境問題を抱えるヒマラヤ地帯により配備。更に台湾や日本との有事に備える東部戦区にも配備されている。

スペック

PCH-191はHIMARSと同じ装輪式の多連装ロケットシステム(MLRS)になる。後部のロケットランチャーはモジュラー式で基本セットが”370mm発射チューブ4本×2セット”なる。これ以外に、300mm発射チューブ5本、750mm発射チューブ2本のセットがあり、別々の口径1セットを組み合わせた2セット搭載することもできる。

ロケット弾

口径が複数あるように使用するロケット弾も複数用意されている。最大射程90kmの300mm無誘導ロケット。300mm誘導ロケットは射程150kmになり、これはHIMARSの227mm M30/31誘導ロケット弾の射程90kmをはるかに凌ぐ。誘導方式は慣性誘導、GPSガイダンスになり、中国版GPS「北斗」の誘導による精度は10~15mと軍事車両を標的にできる。これが370mmになると無誘導弾で射程は220km、誘導弾で380km。そして750mmでは無誘導弾で480km、誘導弾で600kmになる、HIMARSの最大射程がATACMSミサイルの使用で300kmになるので、その倍だ。自走式多連装ロケットシステムの射程としては世界最大になり、もはや弾道ミサイルシステムだ。誘導弾は陸上目標だけではなく海上の目標を狙う精度を持ち合わせていると中国は述べている。誘導弾のコストは対艦ミサイルの3分の1しかない。無誘導弾であればもっと安価で物量攻撃で防空ミサイルを無効化させるという戦法も可能になる。

中国本土から台湾、尖閣諸島が攻撃可能

台湾と中国を隔てる台湾海峡の幅は最も狭いところで130km、最も広い南端で410kmになる。つまり、370mm誘導弾で台湾の西側をほぼ攻撃範囲に収め、750mmでほぼ全域を攻撃対象にする。このことからもPCH-191が台湾侵攻を睨んで開発されたものというが分かる。侵攻が始まれば、PCH-191が西側の台湾の軍事拠点を最初に狙うことになる。

そして、中国が狙う日本の領土「尖閣諸島」は本土から330kmの距離にあり、370mm誘導弾の射程内にある。更に750mm誘導弾になれば、石垣島あたりも射程内に入る。

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