東ヨーロッパの防衛力を高めるために送られたイギリス陸軍のチャレンジャー2戦車14両が先日、ポーランドに到着し、ポーランド陸軍に統合されたとポーランド陸軍が発表しました。
Dobiega końca przerzut brytyjskiej kompanii czołgów Challenger do południowo-wschodniej Polski. Ostatnie czołgi i pojazdy towarzyszące przybedą w ciągu kilkunastu najbliższych godzin. Czołgiści z 🇬🇧 będą się szkolić z pododdziałami Żelaznej Dywizji. pic.twitter.com/3RiVD0N5wu
— 18 Dywizja Zmechanizowana (@Zelazna_Dywizja) July 8, 2022
英陸軍女王王立軽兵隊の”A”戦隊(フィリップ王子戦隊)に所属するチャレンジャー2戦車14両は7月8日、ポーランドに到着すると、ポーランド陸軍第18機械化師団第21ポドハレライフル旅団に統合、今後半年間、東ヨーロッパの防衛任務にあたります。
今年4月、ポーランドはソビエト時代のT-72戦車の大部分をウクライナ軍に引き渡すことを検討、その後、ポーランドは戦車戦力の約3割に当たる236両のT-72をウクライナに送ることを決定し、5月から順次、輸送を開始しました。これに対し、英国政府は、手薄になるポーランドの防衛のためにチャレンジャー2戦車を送る用意があることを4月の時点で表明しており、今回、それが実現された形です。
T-72M(Polish Army)ウクライナの隣国ポーランドはウクライナへの追加支援としてドローン、戦闘装甲車に自走砲や自走ロケット砲に加え、236両ものT-72戦車を送りました。[adcode]Poland: […]
236両のT-72に対し、14両のチャレンジャー2では心もとないですが、戦車の性能としてはT-72を凌いでいます。ヴィッカース・ディフェンス・システムズ(現:BAEシステムズ)によって開発された第三世代のチャレンジャー2戦車は1994年7月に初めて英陸軍に納入されました。その後、目立ったアップデートは行われておらず、滑腔砲が主流の中、未だライフル砲を使用するなど先進諸国の第三世代主力戦車と比較すると性能的に見劣りしますが、実戦経験は豊富であり、チャレンジャー2の複合装甲チョバムアーマー、ERAモジュール装甲の高い防御力については実戦で表明されています。
2003年のイラク戦争で、1両のチャレンジャー2が近距離から計14発のRPG対戦車ロケットランチャーと対戦車ミサイルMILANの攻撃に晒されるも、乗員は無事で、大破することなく、その後修理され、戦線に復帰します。2006年にRPG-29のタンデム弾によって正面装甲が貫通されますが、2.4kmを走行して基地まで帰還。ドライバーは両足を切断する重傷を負いましたが、4人の乗員に戦死者はいませでした。