フランス軍はアップグレードされた最初のルクレールXLR戦車を受領した

501 RCC

フランス陸軍の第501戦車連隊 (501 RCC,Régiment de Chars de Combat) は、2023年11月中旬、ルクレール主力戦車の改良型であるルクレールXLR戦車の最初のバッチを受領した。

501 RCCは11月23日、部隊の公式Facebookページに「改良されたルクレール戦車 (XL-R) が第501 RCCに到着しました!。砲塔内に革新的な統合兵器システムSCORPIONを装備した第4世代戦闘戦車です。」と

ルクレールXLR戦車が部隊に到着したことを報告した。フランス陸軍の近代化を図るSCORPIONプログラムの一環としてフランス陸軍装備総局(DGA)は2015年3月に同国の軍需企業Nexter Systems社にルクレールの近代化アップグレードの開発を命じ、2021年6月に正式に契約が授与、50両を発注していた。2023年中に18両を受領する予定で、最終的には215両あるルクレール戦車の内、200両をルクレールXLRに改良することを目指している。

ルクレールXLR戦車とは

ルクレール主力戦車はフランスの会社Nexter Systemsによって設計、開発、製造された第3世代の主力戦車。1991年に量産が始まり、1992年にフランス軍に就役。主砲にはNATO基準のGIAT CN120-26 120mm滑腔砲を搭載。また、欧米の主力戦車としては珍しく自動装填装置を搭載、そのため乗員は車長、砲手、操縦手の3人で済む。自動装填装置の弾倉には22発、予備弾の18発と合わせ計40発の砲弾を搭載。副武装に12.7mm同軸機銃、7.62mm対空機銃を装備。装甲はモジュール化された複合装甲で、追加も可能。Galix戦闘車両防護システムは赤外線を遮断する発煙弾、対誘導弾ミサイル用のフレア、対歩兵用の近接擲弾を発射し、 生存性を高めている。1500馬力の8気筒ハイパーバーディーゼルエンジンを搭載。整地を最大速度73km/hで走行。追加の燃料タンクを装備した状態の走行距離は550km。

そして、アップグレードされるルクレールXLRには、フランスのIT企業Atos(アトス)社が開発した”SICSスコーピオン戦闘情報システム”とタレス社の通信無線が装備され、デジタルネットワークを介して、グリフォン歩兵戦闘車、ジャガー装甲偵察者といった同じくスコーピオンを搭載する他の戦闘車両とデータリンクすることができる。新しい射撃管制システムは、静止または移動状態で標的を攻撃でき、まだ公表されていない新しい120 mm弾薬の使用を可能にする。砲塔には12.7mm機銃を搭載したベルギーのFN Herstal社製の新しい武器ステーション(RWS)が装備。装甲は強化され、側面に装甲版が追加され前面の爆発反応装甲は改良、エンジンルームにはRPGから保護するために格子スクリーンなど新しい装甲パッケージが追加される。また、乗員を保護するため予備弾を収める弾倉を排除。しかし、これにより、最大40発搭載可能だった砲弾は、ローダーに装填される22発のみになる。

その他、レーザー警報システム、Galix戦闘車両防護システム、車両診断システム、車内のディスプレイ表示なども改良される予定だ。

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