ドイツメディアWeltは2月15日、ウクライナへレオパルト2戦車の提供を表明していたオランダ、デンマークの2カ国が一転、レオパルト2を提供しないと報じました。
オランダとデンマークはドイツがウクライナへのレオパルト2戦車の提供を承認した際に手を挙げていた9カ国の内の2カ国です。他にドイツ、ノルウェー、ポルトガル、フィンランド、ポーランド、スペイン、カナダが手を上げています。オランダは18両のレオパルト2A6、デンマークは6両のレオパルト2A5若しくはA7の提供を表明していました。しかし、オランダの所有する18両のレオパルト2は全てドイツからのリースのため、所有権はドイツにあるので、これを買い取る形でウクライナに提供する旨を表明していました。しかし、一部の報道ではドイツが売却を拒否したため、この話が流れたとされています。オランダのカイサ・オロングレン国防相もウクライナにレオパルト2を提供しないと述べています。
First video of Ukrainian soldiers training on the Leopard 2 MBT in Poland (not Germany). That’s a Polish Barett. Deleted the previous video.
— (((Tendar))) (@Tendar) February 13, 2023
Training in Germany will start this week, too.#Poland #Ukraine pic.twitter.com/c8Fmbpi3mK
デンマークもレオパルト2のウクライナへの提供を撤回。理由は不明ですが、最新型のレオパルト2A7の提供を検討していたので、ドイツから拒否されたのかもしれません。ちなみにドイツは14両のレオパルト2A6を提供します。その代わりと言っては何ですが、オランダとデンマークはウクライナへの供与が決定しているレオパルト1戦車をウクライナに提供、また提供にあたり必要な修理、回収費用をサポートします。その他、オランダはレオパルト2の砲弾とスペアパーツ、乗員の訓練を提供します。とはいえ、提供を見込んでいた24両のレオパルト2が無くなったのウクライナとしては大きな痛手です。
Leopard1A5(KMW)ドイツ政府は火曜日に、軍需企業のRheinmetall(ラインメタル)社とFlensburger Fahrzeugbau Gesellschaft mbH(FFG)に、最大178両のレオパルト1戦車を[…]
さらに提供を表明しているフィンランドがNATO加盟が認められるまでレオパルト2を供与しないという報道もあります。スウェーデンとフィンランドのNATO加盟には加盟国の全会一致が必要ですが、クルド人やコーランの侮辱問題などを巡ってトルコがスウェーデンの加盟に難色を示し、決定が遅れており、その影響をフィンランドも受けています。フィンランドは14両のレオパルト2A4/6の提供を表明していました。
ウクライナには当初、135両のレオパルト2が提供される見込みでしたが、オランダとデンマークが撤退したことで111両に、さらに14両の提供が遅れる可能性があります。まだ、数は流動的であり、更に減少する可能性もあります。
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