イスラエルがメルカバ主力戦車を初輸出!海外2カ国に売却予定

IDF

イスラエルは国防軍の主力戦車であるメルカバシリーズのMk2とMk3を欧州を含む海外2カ国に輸出する予定です。実現すればメルカバ戦車としては初の海外輸出になります。

Merkava(メルカバ)はイスラエル国防軍(IDF)で40年以上に渡って運用されている主力戦車です。一切輸出はされておらず、これまでIDFでしか配備されていませんでしたが、イスラエル政府はメルカバ戦車の輸出を検討。古くなり、倉庫に眠っている200両以上のMk2とMk3の売却交渉を進めており、2カ国と具体的な交渉を行っています。国名は明らかにされていませんが、一国は欧州で、もう一国が南米とされています。最終的にウクライナに渡るのではという噂もあります。実現すればメルカバ戦車の初の輸出となり、イスラエルの兵器産業にとっては歴史的な出来事になります。(砲塔の無い架橋戦車タイプのメルカバAVLBが2022年にフィリピンに初めて輸出されています。)

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イスラエルがメルカバ戦車を初めて海外に輸出

2カ国との交渉は既に最終合意前とされ、早ければ3カ月以内に契約が締結されます。ただ、エンジンがアメリカ製になるため米国防総省の承認が必要であり、アメリカの意向も反映されることになりそうです。売却数は不明ですが、契約規模は数千万ドル以上になります。ちなみにイスラエルは10年前、Mk4を1両あたり400万ドル(5億円)で海外に売却の営業をかけていました。

メルカバ戦車

メルカバMk2
Merkava Mk2(IDF)

イスラエルは戦後の独立後、アメリカからM48パットン戦車、イギリスからセンチュリオン戦車を手に入れ運用していましたが、度重なる紛争に砂漠という過酷な環境、小国で人口が少ない自国の状況を顧みて、1970年代に自軍の置かれた環境にあった国産戦車の開発に着手します。そして、開発されたのがヘブライ語で騎馬戦車を意味するメルカバになり、1979年に初代のMk1の配備が始まります。その後、1983年にMk2、1990年にMk3、2004年にMk4、2023年には最新のMk5 Barak(バラク)が登場。幾重ものバージョンアップを経ながら40年以上に渡って運用されています。メルカバは世界で最も優れた主力戦車の一つですが、イスラエルの環境に特化しているため、同地域の紛争においては無双です。また、人口の少ない同国の状況を踏まえ、人命を守ることに特化、通常、後部に置くエンジンを前部において、車体よりも兵士が生き残ることに重きを置いています。

今回、輸出されるのはMk2とMk3です。Mk2では夜間戦闘能力を追加するため、新しい光学機器を追加。砲塔には取り外し可能なモジュラー式の追加装甲を搭載しています。Mk3ではこれまでの105mm砲から、より強力な120mm砲に換装。1200馬力の新しいエンジン、射撃管制装置も大幅にアップグレードされます。IDFの現在の主力はMk4ですが、Mk3も現役で配備されています。

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Source

מאות טנקי מרכבה ישנים בדרך לאירופה: כל הפרטים על העסקה ההיסטורית (ynet.co.il)

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