イスラエル国防省は人工知能(AI)を搭載した次世代主力戦車「Barak(バラク)」を発表した。AI搭載した主力戦車としては世界初になる。
イスラエル国防省は20日水曜、5年に渡って開発が進められていたメルカバシリーズの主力戦車メルカバ Mk5こと「Barak」を正式に発表しました。バラクはヘブライ語で”稲妻”を意味する。バラクはイスラエル国防軍(IDF)と国防省の他、エルビット・システムズ、ラファエル、IAIとイスラエルが誇る軍需企業が集結して開発された。この新しい戦車は、戦場に革命をもたらすと期待されるいくつかの注目に値する能力を持っている。
バラクには周囲360度を撮影する新しい昼夜カメラが搭載。そのカメラの映像は車長の新しいヘッドアップディスプレイ(HUD)に統合されており、メルカバ初の機能になる。このHUDはF-35のパイロットヘルメットに似た設計で車体内部から搭乗員に360度の視野を提供、車長はわざわざハッチから顔を出さずとも障害物でなし周囲360度の状況を確認でき、状況認識能力は大幅に拡大される。ディスプレイには視野以外に標的の情報、標的に応じて使用すべき武器の情報を表示。および車体の状況、損傷に関する視覚的情報も投影される。戦術データリンクを介して司令部、他部隊から送られてくる情報もリアルタイムで投影され、迅速かつ正確な判断を手助けする。その他、新しいセンサー、電子戦システムが搭載され、これらが処理した情報もHUDに投影される。
ここまでの情報はメルカバMk5の一報が出た際にも報じされていたが、この状況認識機能にAIが加わっている。AIがリアルタイムで状況を認識し、ターゲットの識別を行い、乗員の判断を補助すると共に、その情報を他の攻撃ユニットや支援ユニットに即座に共有する。AIによって乗員のタスクは減り、素早い状況判断で敵への先制攻撃を可能にする。また、照準器、暗視機能、火器管制システムなども改良されており、イスラエルの誇るアクティブ保護システム「トロフィー」も標準装備されている。今後数か月以内に最初のバッチがIDFに納入される予定だ。
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