メルカバMk5主力戦車の量産がスタート、2023年から配備開始

IDF

イスラエルはメルカバ主力戦車の最新バージョンであるBarak(バラク)ことMerkava Mk5(メルカバMk5)の量産を開始し、2023年からイスラエル国防軍(IDF)の機甲装甲旅団に配備を始めます。

メルカバの最新モデルBarak

メルカバ4

メルカバ 5はヘブライ語で”稲妻”を意味するBarak(バラク)と呼ばれるIDFの次世代戦車になります。メルカバは1970年代に開発が始まり、1979年に初代のMk1の配備が始まり、その後、1983年にMk2、1990年にMk3、2004年にMk4が登場。Mk5は5代目のモデルになり、19年ぶりのバージョンアップになります。メルカバ5は予算の問題で2年間、生産が遅延していましたが、ロシアとウクライナとの戦争の状況をうけ、現代戦での戦車の脆弱性と、対戦車兵器に対する強固な防護能力の必要性を痛感して生産を決めます。

対戦車兵器に対する防御力向上

メルカバ5にはアップグレードされたアクティブ防御システム (APS)「 Trophy Defense System(トロフィー・ディフェンス・システム)」が標準搭載されます。イスラエルのラファエル社が開発したトロフィーは世界で唯一、完全に統合され、戦闘で証明されたAPSとされており、ロケットやミサイル、迫撃砲などの対装甲兵器、対戦車攻撃の脅威から車体を保護。レーダーシステムは攻撃の脅威を即座に検出、自動的に実行されるインターセプターによって飛翔体を撃墜します。米軍のM1A2エイブラムス戦車は昨年、トロフィーの追加装備を完了。英陸軍は次世代戦車チャレンジャー3に搭載することを決定。ドイツ軍もレオパルド2A7にトロフィーの装備を計画しています。

メルカバ4と何が違う

F-35のヘルメット(US Airforce)

現在のIDFの主力戦車であるメルカバ4にもトロフィーは追加装備されています。では、メルカバ4と何が違うのかというと、メルカバ5には周囲360度を撮影する新しい昼夜カメラが搭載。そのカメラの映像は車長の新しいヘッドアップディスプレイ(HUD)に統合されます。これはメルカバ4には無い機能です。このHUDはF-35のパイロットヘルメットに似た設計で車体内部から搭乗員に360度の視野を提供、視野と状況認識能力は大幅に拡大されます。ディスプレイには視野以外に標的の情報、標的に応じて使用すべき武器の情報を表示。および車体の状況、損傷に関する視覚的情報も投影されます。戦術データリンクを介して司令部、他部隊から送られてくる情報もリアルタイムで投影され、迅速かつ正確な判断を手助けします。その他、新しいセンサー、電子戦システムが搭載され、これらが処理した情報もHUDに投影されます。

対戦車兵器はロケット、ミサイル、ドローンと多様化しており、これらから車両を護るには既存の主力戦車単独では難しくなっています。状況認識能力・対応力を上げ、他部隊と連携して、対処する必要があります。

Source

https://news.walla.co.il/item/3493339

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