NATOがレオパルト1戦車をリサイクル。その結果は?

北大西洋機構(NATO)は寿命が尽きた、かつての主力戦車でレオパルト1を処分し、リサイクルしたその結果を発表した。

レオパルト1主力戦車は1964年に登場した西ドイツの第2世代主力戦車。第二次世界大戦時、ティーガーやパンツアーといった戦車大国であったドイツが、敗戦後に初めて開発戦車で、ドイツ軍以外にもNATO各国、トルコやブラジルなどにも輸出され、延べ4000輌以上が生産された。未だに現役で活躍している国もあるが、ドイツ陸軍では2003年に退役し、NATO各国も順次退役し、後継のレオパルト2に代替わりしている。

レオパルト1はリサイクルに回され、105mm砲を搭載し、全長9.54m、重量40トンの巨体からは貴重な資源が回収された。

​10月20日にNATOサポート調達庁(NSPA)から発表された内容によると、解体・廃棄の全工程は欧州通常戦力 (CFE) 基準に沿って徹底されました。解体には、専門家による危険物の特定、除去および処理も含まれた。​解体したレオパルト1には廃燃料と廃油、鉛電池、22kgのアスベストが含まれていた。

その結果、戦車1台あたりから24トン以上の鉄鋼および非鉄金属が回収され、スクラップ市場に売却された。計483台のレオパルト1主力戦車の解体と廃棄に成功し、270万ユーロ(3.3億円)、戦車1台あたり、5,500ユーロ(68万円)の収益を上げました。(収益は売上高から人件費、有害物質処理費、輸送費などの廃棄費用を差し引いたもの)。

​NSPAは今回のリサイクルにあたり、初めて、含有量や数量、販売価格などの詳細な記録を求めた。​この情報は、基準を設定し、統計が乏しい分野における将来のプロジェクトのための信頼できる提案をNSPAが開発することを可能にする。

​このプロジェクトは、非武装化・解体・廃棄 (D3) 支援パートナーシップの加盟国にとってのNSPAの能力と価値を実証するものである。​NSPAは、世界的なコントラクターの枠組みを通じて、カスタマイズされたD3の専門知識、戦略的計画、実際の実行を提供することにより、利用国の余剰戦力を支援することができる。​このような支援は非加盟国にも等しく利用できる。

https://www.nspa.nato.int/news/2020/dismantling-disposal-483-leopard1-tanks

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