ロシア軍の最新鋭戦車T-14アルマータがウクライナ領内に展開、いよいよ戦線に投入か

ロシア軍の最新鋭戦車T-14アルマータがウクライナ領内に展開、いよいよ戦線に投入か

ロシア人ジャーナリスト、ウラジーミル・ソロヴィヨフ氏の情報によれば、ロシア軍のT-14アルマータ戦車が特別軍事作戦(SVO)の作戦域であるウクライナ領内のドンパスに展開しており、今後数週間または数日でウクライナの最前線に投入されると噂されています。

2月24日にロシアがウクライナに侵攻して以降、T-14は一度も戦場で目撃されておらず、ウクライナへの戦線投入は確認されていません。10月には親ロシア派が支配するウクライナ東部ルガンシク州で訓練中とされるT-14の映像が出回りますが、実際はロシア南西部のカザンの訓練場で撮影されたものでした。今回、SNSに出回っている映像はロシア国防省が公開した映像になりますが、ロシア国防省はその場所を明らかにしておらず、T-14をウクライナに配備するといった公式情報はありません。今回、情報を発信したウラジーミル・ソロヴィヨフ氏はプーチン大統領に近い人物で2013年には名誉勲章を授与された国営テレビの司会者でもあり、今回のウクライナ侵攻では政権側の宣伝者として侵攻を支持する発言を繰り返しています。その中にはNATOへの攻撃、核の使用、無能な指揮官の銃殺など過激な発言もあり、情報の信ぴょう性は不明です。

しかし、ここ最近、ロシア軍は戦車戦力の増強を図っています。夏頃は戦車工場がほぼ稼働していないと言われていましたが、部品調達の目途が立ったのか、量産が急ピッチで進められており、200両のT-90Mを生産することを明言、T-72戦車のアップデート版T-72B3/B4の生産も急ピッチ進めています。クリスマスにはT-90M戦車15両、T-72B3戦車9両、T-62M戦車14両を搭載した列車がウクライナに向けて移送されるのが目撃されています。

T-14アルマータは20両しかない

T-14アルマータは戦車大国のロシアが誇る最強戦車で、世界で初めて戦車に無人砲塔を採用するなど唯一の第4世代と言われる最新鋭戦車です。2015年の軍事パレードで初登場し、ロシアはT-72、T-80に代わる次世代主力戦車として2000両の生産を予定していました。2017年には量産化が始まり、部隊配備が始まる予定でしたが、しかし、生産は遅れに遅れ、量産化は度々遅延。開発製造元のRostecは2021年に2022年から量産化を開始すると宣言していましたが、ウクライナ侵攻が始まったことでその予定も遅延していると思われます。つまり、ロシア軍にはまだ量産モデルのT-14は1両も無いとされ、全てプロトタイプや試験車両で、戦線に投入できる強度があるのか不明です。しかし、戦車の消耗が激しくなる中で、投入に向けた改修を行っていた可能性はあり、今回、映像で確認されたのは3両のみなので、改修されたモデルである可能性はあります。貴重な戦車であり、損失のリスクがある危険な前線に出ない可能性があります。

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現在の最強戦車T-14アルマータ

しかし、T-14は最前線に出なくとも索敵車両として機能できます。T-14には最新型の戦闘機にも使われているアクティブフェーズドアレイ (AFR) 型のアンテナを備えたレーダーが搭載されており、砲塔に四方4つのパネルで構成、全方位の視界を提供します。このレーダーは20個以上の空中目標と40個以上の地上目標を同時に検知する能力を持っており、検出距離は100km。レーダーは向かってくる発射体の軌道を検出することで敵の位置を把握することもできます。なので、安全な戦車部隊の後方に位置し、戦術データリンクを使い、前方部隊に敵の位置情報を提供するといった指揮車としても使えます。スペック通りであれば。

T-14は公開されているスペック上では大変優れた戦車です。ゲームチェンジャーになりえる車両でしょう。しかし、数は20両から最大でも30両とされており、数は無くどんなに性能が優れていても、今の劣勢の戦況を覆すことは難しいとされいます。実際、T-14に近い改修が施されたT-90Mが次々と破壊されています。

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