スロベニアがウクライナに28両のM-55S(T-55)戦車を提供することを決定

スロバキアがウクライナに28両のM-55S(T-55)戦車を提供することを決定

スロベニアのロベルト・ゴロブ首相とドイツのオラフ・ショルツ首相は19日、40台のドイツの軍用トラックと引き換えにスロベニアのM-55S戦車28両をウクライナに譲渡することで合意に達しました。M-55Sはソ連製のT-55戦車を近代化した戦車です。

ロシア・ウクライナ戦争では最も古いモデルの戦車になる

ウクライナとロシアの戦争では新旧の戦車が入り混じって砲火を交えていますが、T-55ベースのM-55Sの投入となると、これまで登場した戦車としては最も古いモデルにです。此度の戦争でこれまで戦場に投入された戦車として最も古いとされているのが1962年にソ連軍で配備が始まった第二世代戦車のT-62です。同戦車は5月に初めて戦地に送られていくのが確認されており、既に3両を失っていることが確認されています。T-55はこのT-62よりも古いモデルで、戦後に開発された第一世代戦車で1958年に登場しています。

T-55戦車とは

T-55

T-55は1947年に登場したT-54戦車の改良版として1958年に登場しましたがベースはほぼT-54と同じで、T-54とひとまとめにされT-54/55とも表記されます。主砲の100mmライフル砲、580馬力のエンジンは最大速度50km/hを誇り、第一世代戦車とは最強と言われました。NBC(化学・生物・核)防御システムが標準装備され、対空機銃が追加、燃料、砲弾数も増加しています。10万輌以上が製造され、一部の国では現在も現役で活躍。戦車版のAK-47と言われており、最近でもアフリカ、シリア、アフガニスタンの紛争に登場しています。

アップグレードされたM-55S

ウクライナに引き渡されるM-55S戦車はソ連時代のT-55をベースにしていますが近代化改修され、射撃システムなどは第三世代戦車に近い機能を有しており、38トンの戦車は現代版軽戦車といってもいいかもしれません。主砲はソ連製の100mmライフル砲から、イギリス製のL7/M68 105 mm ライフル銃に置き換えられ、第二世代戦車以上の火力を得ます。防護面では、車体と砲塔に爆発反応装甲 (ERA) が追加、サスペンションの上部は 5 分割のゴム製スカートで保護されています。新しい射撃管制システムに新しい照準器とレーザー距離計、スタビライザー、車長用照準器が追加。エンジンも新しい600馬力のディーゼルエンジンに置き換えられています。1997 年に完成、1999年にスロベニア軍に配備されています。

ドイツからの支援と引き換えにウクライナに提供

スロベニアはウクライナへの軍事支援として、これまでM-84やT-72といった主力戦車、35両のBVP M-80A歩兵戦闘車を提供してきました。しかし、東欧の小国であるスロベニアにウクライナに軍事支援を送る余裕はありません。これを実現しているのが、ドイツからの支援です。今回、軍用トラック40台と引き換えにM-55Sを提供したように、M-84、T-72戦車を提供した際もドイツはスロベニアにマルダー歩兵戦闘車とフクス装甲兵員輸送車を提供しています。

Source

https://www.ukrinform.net/rubric-ato/3575496-ukraine-to-get-28-m55s-tanks-from-slovenia.html

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