ウクライナ、独自改造したレオパルト1A5戦車を公開

ウクライナ、独自改造したレオパルト1A5戦車を公開
SNSより

ウクライナ軍は、独自に改良したレオパルト1A5戦車を公開した。車体はソ連製の爆発反応装甲で覆われ、砲塔上部には対ドローン用の防護スクリーンが装着されており、元の車両から大きく様変わりしている。

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2024 年9月、ウクライナ西部で訓練中のウクライナ軍第5独立戦車旅団はレオパルト1A5戦車の改良版レオパルト1A5Vを披露した。1A5Vはウクライナが独自に改良したモデルで。ソ連製の爆発反応性装甲 (ERA) Kontakt-1を砲塔、前部および側面部など車体全体を覆うような形で装着。さらに砲塔上部には対ドローン用の保護スクリーンを装着している。ウクライナにはこれまで、レオパルト2、チャレンジャー2、M1A1エイブラムスと多数の西側第三世代戦車が供与されているが、レオパルト1A5はそれよりも一つ前の世代の第二世代に分類される戦車。装甲は第三世代戦車よりも大きく劣る。通常、西側製戦車はERAを搭載しないがレオパルト2は損害が増えた事で後でERAを追加している。レオパルト1A5の本格的な戦場投入はこれからだが、防護力を懸念して先手を打ったものと思われる。

レオパルト1A5

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Bundeswher

レオパルト1は1960年代に戦後ドイツが初めて開発生産した第二世代の主力戦車。4700両以上が生産されており、戦後に生産された西側欧州戦車としては最も多い数になる。

主砲は最大射程3000mのL7 105mmライフル砲に副武装として2挺の7.62mm MG3機関銃を搭載。砲弾の搭載数は60発で砲塔に18発、車体に42発搭載している。重量42t、全長9.5m、幅3.4m、高さ2.8mと現代戦車と比較すると小型、軽量で軽戦車と言ってもよく、それもあり最高時速65km/h、航続距離600kmの機動性は現在の最新鋭戦車と引けをとらない。1A5はレオパルト1の最後の近代化モデルで夜間や視界不良時でも戦闘できよう赤外線ビジョンを搭載、射撃管制装置もレオパルト2に搭載されていたものをベースに開発されたものが搭載されている。

ほとんどのレオパルト1A5は欧州主要国で退役しており、倉庫に保管されていたが、2023年2月、デンマーク、ドイツ、オランダの三カ国はパートナーシップを結び、ウクライナに少なくとも所有する100両の車両を寄贈することを決定。その後、数は増え、現在200両ほどの供与を予定している。現在、供与のための改修作業が行われており、2023年7月に最初の10両がウクライナに納入、今年8月までに50両以上が納入されているとされる。しかし、戦場での目撃情報は少なく、これまでの損害も3両と、30両以上の損害を出しているレオパルト2と比べると少ない。要因として主砲のL7 105mmライフル砲に使用する105mmライフル砲弾の在庫が少ない事が上げられる。この弾薬確保がままならない内はレオパルト1の本格投入はないだろう。

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