フランス軍主力戦車ルクレールのアップグレード版「ルクレールXLR」

Photo Armée de Terre

フランス陸軍の戦闘能力向上と近代化を進める「Scorpion program(スコーピオンプログラム)」の一環として、陸軍の主力戦車である”ルクレール”200両が「Leclerc XLR」として近代化アップグレードされます。

ルクレール戦車とは

ルクレールMBTはフランスの会社Nexter Systemsによって設計、開発、製造された第3世代の主力戦車です。1991年に量産が始まり、1992年にフランス軍に就役。フランス軍以外では、アラブ首長国連邦、ヨルダンで運用され、約800両が生産されました。主砲にはNATO基準のGIAT CN120-26 120mm滑腔砲を搭載。NATO軍の主力戦車であるアメリカのエイブラムス、ドイツのレオパルド2に自動装填装置が搭載されていない中、ルクレールには搭載、そのため乗員は3人ですみます。自動装填装置の弾倉には22発、予備弾の18発と合わせ計40発の砲弾を搭載。副武装に12.7mm同軸機銃、7.62mm対空機銃を装備。装甲はモジュール化された複合装甲で、追加も可能。Galix戦闘車両防護システムは赤外線を遮断する発煙弾、対誘導弾ミサイル用のフレア、対歩兵用の近接擲弾を発射し、 生存性を高めています。1500馬力のSACM V8X-1500 8気筒ハイパーバーディーゼルエンジンを搭載。整地を最大速度73km/hで走行します。追加の燃料タンクを装備した状態の走行距離は550kmです。

タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.362 フランス主力戦車 ルクレール シリーズ2 プラモデル 35362

ルクレールXLR

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ルクレール XLRはこのルクレールの最新アップグレード版です。陸軍の近代化を図るスコーピオンプログラムの一環としてフランス陸軍装備総局(DGA)は2015年3月、Nexter Systemsにルクレールの近代化アップグレードの開発を命じ、2021年6月に正式に契約が授与されます。

アップグレードされるルクレールXLRには、フランスのIT企業Atos(アトス)社が開発した”SICSスコーピオン戦闘情報システム”とタレス社の通信無線が装備され、デジタルネットワークを介して軍の他の戦闘車両とデータリンクすることができます。新しい射撃管制システムは、静止または移動状態で標的を攻撃でき、まだ公表されていない、新しい120 mm弾薬の使用を可能にします。砲塔には12.7mm機銃を搭載したベルギーのFN Herstal社製の新しい武器ステーション(RWS)が装備されます。装甲は強化され、側面に装甲版が追加され前面の爆発反応装甲は改良、エンジンルームにはRPGから保護するために格子スクリーンなど新しい装甲パッケージが追加されます。その他、レーザー警報システム、Galix戦闘車両防護システム、車両診断システム、車内のディスプレイ表示なども改良される予定です。

ルクレールXLRはMGCSまでのつなぎ

フランス陸軍は現在、406両のルクレール戦車を保有しており、この内、約半数の200両をルクレールXLRにアップグレードされ、2024年までに50両、2028年までに150両がフランス陸軍に納入される予冷です。現在、フランスはドイツともに次期主力戦車である「主力戦車コンバットシステム(MGCS)」プログラムの共同開発を進めており、2040年までの運用を目指しています。ルクレールXLRはMGCSが登場するまでのつなぎになります。

タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.362 フランス主力戦車 ルクレール シリーズ2 プラモデル 35362

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