ロシアの新しい対戦車ミサイルシステム「Hermes(エルメス)」は長距離射程と超音速飛行性能を備えており、西側のすべての戦車を倒すことができると主張しています。
最大射程100km、飛行速度マッハ4
エルメスは先月モスクワで開催されていた軍事展示会「Army-2020」展示されました。開発メーカーのKBP器械製造設計局 (KBP Instrument Design Bureau)よるとエルメスの最大の特徴は最大射程距離です。対戦車ミサイルの射程距離は「ジャベリン」など携行式の場合、最大2~3kmほどです。搭載式だと陸上自衛隊の「96式多目的誘導弾」で10kmほど。米軍の「マーベリック」、英軍の「ブリムストーン」の20kmがこれまでの最長でした。エルメスの最大射程距離はその5倍の100kmです。飛行速度はマッハ4と戦車による迎撃はほぼ不可能です。
エルメスには無線・レーザー・赤外線誘導など、複数タイプの誘導システムの他に、偵察・誘導ドローンを使ってターゲット検出、誘導し、最大6つの標的を同時に攻撃できます。最大100kmの射程の場合でも最大誤差はわずか50cm、高性能爆薬TNT20kgを搭載した破片型ミサイルは98~99%の確率で戦車を破壊するとメーカーは述べています。
エルメスは6つのミサイルを搭載したコンパクトなモジュール式のミサイルランチャーです。車両を選ばず、複数タイプの装甲車、戦闘車に搭載可能です。