ロシアの最新対戦車地雷PTKM-1R

ロシアの最新対戦車地雷PTKM-1R
Rosoboronexport

ウクライナ軍はハリキウ地域から撤退したロシア軍が残していった物資からある兵器を捕獲しました。ロシア軍が使用する対戦車地雷としては最新となる「PTKM-1R」です。この地雷、スマート爆弾といわれる近代兵器の一つで、「Jumping Mine(ジャンピングマイン)」とも呼ばれています。

地雷だけど戦車のトップを狙う

一般的な対戦車地雷は地面に埋設され、通過する車両の接触・加圧によって爆発し、下から車両に大ダメージを与え、走行不能にし、乗員を殺傷します。しかし、2000年代以降、IED(即席爆破装置)による奇襲攻撃が増えたこともあり、最近の戦闘装甲車は対地雷防御を強化、耐地雷・伏撃防護車両が増え、対戦車地雷では致命的な打撃を与える事が難しくなっています。そこで開発されたのがPTKM-1Rです。

ロシアの最新対戦車地雷PTKM-1R
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PTKM-1Rの起爆センサーは接触や加圧ではなく、音響センサーと振動センサーを搭載したいわゆる”スマート地雷”になります。車両の騒音と振動を検知することで地雷が起動。このセンサーは無条件で地雷を起動させるのではなく予め指定されたパラメーターに合致した車両でのみ起動します。つまり、民間車両と軍事車両、敵味方を見極めることができると言うわけです。地雷は高さ510mmの筒状のものを垂直に設置する形で、視認されやすい設計ですが、センサーの検知範囲は5mから最大50mと広範囲で、起動前に地雷を検知することは不可能だと、開発元は述べています。

車両を検知すると地雷は上空に向かって対戦車弾を射出。対戦車弾には赤外線センサーとレーダーセンサーが搭載されており、近づく車両の正確な位置を検知。検知した標的を捉えると弾薬は上空で起爆。発射された弾頭は戦闘装甲車で最も装甲が弱いとされる上面を攻撃します。この弾頭の貫通力は70mmです。PTKM-1Rの稼働時間は設置から10日間になり、10日を過ぎた場合は自己破壊されます。

ロシア国防省は、2018 年にPTKM-1Rの試験が完了したと発表、2020 年に量産が開始されていました。

Source

http://roe.ru/eng/catalog/land-forces/engineer-equipment/ptkm-1r/

ロシアの最新対戦車地雷PTKM-1R
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