ロシアの最強対戦車ミサイル「Kornet」

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ウクライナの情勢の緊迫化で、ウクライナにはロシアの戦闘車両に対抗すべくジャベリンやNLAW、SMAW-Dといった対戦車・対装甲兵器に注目が集まっていますが、もちろんロシアも強力な対戦車兵器を有しおり、その中でも最強と言われるのが対戦車ミサイル「Kornet(コルネット)」です。

Kornetシリーズ

9M133 Kornet(コルネット)はKBP器械設計局によって開発された信頼性の高いレーザービーム誘導システムを搭載した対戦車ミサイルシステムです。1998年に登場した最初のモデルは三脚に搭載され、歩兵2人によって持ち運び運用する形態でした。その後、戦闘車両搭載用の9K133が開発され、BMP-3装甲戦闘車に搭載、2基のランチャーと計16発を装填するミサイルマガジンを搭載し、BMP-3を駆逐戦闘車化します。最大射程は5500mになり、最大1200mmの装甲を貫通破壊。2003年のイラク戦争ではイラク軍のコルネットが米軍のM1A1エイブラムス戦車とM2ブラッドレー戦闘車を無効化。2006年にはヒズボラがイスラエルのメルカバ戦車を無効化しており、西側の第3世代戦車に有効であることを示しています。

Kornet-M

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2012年には爆発反応装甲(ERA)を破壊することを目的にしたタンデムHEAT弾頭を搭載する9M133 Kornet-Mミサイルを開発します。最大射程は倍となる最大10,000mに拡大、検出範囲は12000mになります。これは戦車の有効射程よりも遥かに長い距離です。弾頭の貫通力は最大1300 mmに向上しています。更にロックオン後に自動追尾される「ファイアアンドフォーゲット」機能が追加され、実際の戦闘でのターゲット追跡精度を最大5倍に高めるとともに、ヘリコプターやドローンといった低空飛行する標的を攻撃することも可能にし、攻撃対象範囲を大幅に拡大します。更に熱気化爆弾や破片弾を備えたバリアントも開発され、これはドローンの群れや掩蔽壕の破壊、対人に用いられます。

Kornet-D

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2015年にはKornet-Mを全地形機動車両GAZ Tigrに搭載可能にするミサイルプラットフォーム「Kornet-D」が登場、運用範囲は大幅に拡大されます。4発装填のランチャー2基が基本セットになり、同時に2つの標的を狙うことができ、それぞれ異なる弾頭を搭載することで状況に応じて即座に対応が可能です。ミサイルは発射後に標的を変えたり、誘導を無効化することもできます。予備弾8発を含めた計16発が車両に搭載されます。射程はタンデム弾で8000mと若干下がります。

アメリカのジャベリンは携行式で射程2500m、車両搭載モデルで4750m、装甲貫通力は最大750mmでそれに対し、Kornetの射程は倍であり、装甲貫通力も優れています。Kornetにはジャベリンにはあるトップアタック機能はありませんが、それを差し引いても、現状、世界最強の対戦車ミサイルとしてして評価されています。

Source

http://roe.ru/eng/catalog/land-forces/missile-systems-multiple-rocket-launchers-mrl-atgm-systems-and-field-artillery-guns/kornet-e/
https://rostec.ru/news/kornet-em-groza-ne-tolko-dlya-tankov/

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