M2ブラッドレー歩兵戦闘車の後継「XM30 機械化歩兵戦闘車」

M2ブラッドレー歩兵戦闘車の後継「XM30 機械化歩兵戦闘車」
M2ブラッドレー(US Army)

アメリカ陸軍はM2ブラッドレー歩兵戦闘車の後継機開発プロジェクトを進めており、初期デジタル設計段階が完了したことで「XM30 機械化歩兵戦闘車」という名称でプログラムを再指定した。

米陸軍の機械化歩兵部隊の主力歩兵戦闘車であるM2ブラッドレー。1981年から米陸軍に配備されており、既に導入から40年以上が経過している。1985年にM2A1、1988年にM2A2、1996年にM2A3、2019年にM2A4と4度のバージョンアップが行われているが基礎設計は半世紀以上前の物であり、現代及び将来の戦場の条件にあった歩兵戦闘車が求められていた。既にプロトタイプ開発に向けて計画は進んでおり、6月26日にはプロトタイプの製造およびテストのフェーズに関する 2 つの固定価格契約の締結を発表。General Dynamics Land Systems Inc.とAmerican Rheinmetall Vehicles LLCの2社と契約を締結。両社の契約の落札総額は約16億ドルに上る。順当に行けば2025年にプロトタイプが納入され、その後、テストを経た後、2027年までに車両を選定、具体的な購入数を決定する。2029年には最初の車両が部隊に配備される予定だ。

主砲に50mmチェーンガンを装備

XM30は完全装備の歩兵6名と乗組員2名を乗せ、遠隔操作可能な砲塔に新設計の50mmチェーンガンを搭載する予定だ。現在のM2A4も歩兵6名を搭載するので輸送量は変らないが、砲塔の無人化、システムの自動化によって乗組員は3人から2人に減る。主砲はM2ブラッドレーの25mmチェーンガンからノースロップ・グラマン社が開発したXM913 50mm チェーンガンに。口径は倍になっており、射程も倍に。25mmの射程が2.5kmだったので、50mmでは5kmになる計算だ。これは第三世代戦車の主砲の射程に匹敵し、歩兵戦闘車同士の戦闘ならアウトレンジからも攻撃可能だ。交戦距離、索敵距離が伸びる現代及び将来を見据えた武装であろう。また、砲塔も無人化されることで、様々な兵器を搭載できる。M2ブラッドレーが対戦車ミサイルのTOWを搭載しているようにXM30にも対戦車ミサイルは搭載されると推測される。

ただ、車両はM2ブラッドレーよりも大きく、重くなるのか、C-17輸送機で3両搭載可能だったブラッドレーに対し、XM30は2両しか搭載できないようだ。

米陸軍は6500両以上のM2ブラッドレーを所有しており、XM30の導入が始まれば、多くが海外に売却されることになるだろう。ウクライナへの軍事支援でも100両以上が送られており、先日も追加提供を発表している。

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M2 ブラッドレー歩兵戦闘車の最新モデルM2A4

Source

Army announces contract awards for OMFV | Article | The United States Army

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