世界一カワイイ豆戦車ヴィーゼル

豆戦車とは軽戦車よりも小さい、小型の戦車・戦闘車の事を指します。現存する豆戦車で最もカワイイ豆戦車・戦闘車といわれているのがドイツ連邦軍のウィーゼル空挺戦闘車です。

空挺用途のために作られた小型車両

ドイツの車両といえばベンツや第二次大戦時のタイガー戦車(写真上)、NATOの主力戦車であるレオパルド2など質実剛健のガッチリとしたイメージがありますが、ドイツ人が設計・製造したヴィーゼルは、そんなドイツの車両に対する共通性はなく、丸っこくとてもかわいいらしいフォームはかつてドイツのフォルクスワーゲンが製造していたビートル(写真下)を思い起こさせます。

航空機やヘリに搭載できるほど小型

ヴィーゼル( Waffenträger Wiesel)は航空機やヘリに搭載して空中から目的地まで運搬できるように設計された空挺戦闘車です。そのため、車体は非常に小さく、全長は3.3~3.7mmしかありません。これはビートルよりも短いサイズです。重量は2.8トン~とこれはベンツのGクラスと遜色ありません。重装甲に武装を持ち合わせた車両としてはこのサイズは破格です。これにより、輸送機はもちろん、CH-53といった大型ヘリには2輌搭載でき、中型クラスのヘリでもロープ牽引で輸送することができます。

AFVクラブ 1/35 ヴィーゼル1A1-A2 TOWミサイル搭載型 プラモデル

開発経緯

ウィーゼルの開発は1970年代に始まりました。東西冷戦の最中、西ドイツ軍は空挺部隊が実際に東側に降下した際、敵戦車や装甲車に遭遇してしまった場合、対処する術がないことに気づき、空挺部隊と一緒に空中投下できる小型で軽量の軽装甲車で空挺部隊にある程度の火力と防御、機動力を与えることを目的に検討が始まります。
1979年に一度、資金不足のためプロジェクトが中止されますが、1980年にドイツ軍は新しい空中戦闘車両を購入することを決定し、プロジェクトは再開。ウィーゼルの最初のバッチがドイツ軍に納入されたのは1990年と当初の計画から20年ほど経た後でした。1992年までに、合計345台の車両が製造され、ドイツの空挺部隊に配送され、さらに7台の車両が特殊作戦のテストのために米軍に納入されています。

武装とバリエーション

ヴィーゼル1とヴィーゼル2

ヴィーゼルには1と2の二つがあります。1は1980年代にかけて開発製造された初期タイプです。2は1990年代に製造された改良モデルで、防護力を強化し、馬力は87馬力から109馬力に向上、車体を0.6m、全高を0.2m延長し、重量は2.8トン、3.6トンと大型化したモデルになります。ヴィーゼル1の生産は1994年に終了しており、ヴィーゼル2は引き続き生産が続いています。

武装

ヴィーゼルにあバリエーションに主力武装が異なります。

MK 20

対人、軽装甲車、ヘリに対抗する20mm機関砲を搭載したヴィーゼル1のモデルです。400発の弾薬が用意され 、最大射程は1200メートルです。厚さ12mmの鋼板を400メートルの距離から貫通でき軽装甲車なら貫通可能です。使用時には、車長が体の半分をハッチから出して手動で操作する必要があります。

TOW

6発のTOW対戦車ミサイルを搭載したヴィーゼル1のモデルです。TOWには第3世代主力戦車装甲を貫通する力があります。しかし、標的を確実に捉えるには衝突まで射手が車両から身を乗り出し目標を捉える必要があり、これは既に時代遅れで今後、武装は換装される予定です。

leFlaSys Ozelot

オセロットはミサイル発射車両、パッシブレーダー車両と二台の車両を組み合わせたヴィーゼル2のモデルです。360度対応のスティンガー対空ミサイルを搭載し、レーダーで検知した飛行物体を撃退します。スティンガーは最大射程5000メートル、高度4500メートルの短距離防空ミサイルです。

MrsKpfSys

120mm迫撃砲を搭載したヴィーゼル2のモデルです。自動装填で8km先まで攻撃が可能です。

その他にも担架で負傷者を運搬できる救急車モデルや、最大4名の兵士を乗せることができる兵員輸送車など、いくつもの派生モデルが作られています。

AFVクラブ 1/35 ヴィーゼル1A1-A2 TOWミサイル搭載型 プラモデル

https://www.bundeswehr.de/de/ausruestung-technik-bundeswehr/landsysteme-bundeswehr/waffentraeger-wiesel-1

広告
最新情報をチェックしよう!