軍用電動スクーター「EZRaider」

軍用電動スクーター「EZRaider」

戦争において刻一刻と変化する戦場に対応できる展開力と機動力が大事。地上部隊では小隊、分隊レベルで素早く展開できる2人乗り、4人乗りのバギーとも呼ばれる軽戦術全地形対応車(LTATV)の導入が進んでいるが、米陸軍ではより小さなユニットに焦点をあて、更に小さい一人乗りの電動四輪スクーターの導入も検討している。

概要

米陸軍が検討を進めているのがイスラエルのEZRaider社が開発する「EZRaider(EZライダー)」と呼ばれる四輪電動スクーター。このスクーターのような車は全地形対応車(ATV)でオフロード地帯も走行が可能。従来のATVよりもより小さく、よりコンパクトな車体でセグウェイのように直立して乗るので視界がクリアで、乗り降りの展開が早いのが特徴。

基本一人乗りで通常運転または半自律運転で乗ることができる。最大、完全装備の兵士二人までが搭乗することができる。最も頑丈なモデルで最大200 kgを運ぶように設計されており、専用に設計されたトレーラーを牽引することで死傷者や装備、機器を運ぶことができる。1200ワットの2つの電気モーターが搭載されており、最大速度は70km、一回の充電で約40kmを走行できる。

機動力は軍用バイクや他のATVに劣る

軍用電動スクーター「EZRaider」

しかし、軍用バイク、他の四輪タイプのATVと比べ、最高速度、走行距離が劣る。では、EZRaiderのメリットは何なのか?まずは前述で述べているようにコンパクトでどこへでも展開できる。一人・二人乗りではバイクより運搬能力に優れている。そして、電動スクーターとしての大きなメリットが静音性と機密性だ。エンジン音はほぼ無音で静かに移動でき、熱の発生も少ないので赤外線で探知されにくい。車体もコンパクトなので視認しづらく、隠しやすいなので隠密作戦に向いている。車体重量は100kgほどなので屈強な兵士なら2人で担ぐことも可能かもしれない。

EZRaiderは既に特殊部隊や国境警備隊、オランダ軍、イスラエル警察など、世界中の軍隊や法執行機関で使われ始めている。民間でも施設内での移動やレジャー用の乗物として使われおり、一般での利用も広がっている。

公式サイト

軍用電動スクーター「EZRaider」
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