ベンツGクラスベースの特殊空挺車両カラカル

ベンツGクラスベースの特殊空挺車両カラカル
© 2023 Rheinmetall AG

ドイツ軍とオランダ軍、両軍が新たな3000台もの調達を決めた空挺車両Caracal(カラカル)。同車両はドイツの軍需企業ラインメタル社が提供するが、ベースになっているのはドイツを代表する車メーカー「メルセデス」が製造する高級SUVベンツGクラスだ。カラカルとはどういった車両なのだろう。

ベンツGクラスがベース

ベンツGクラス
ベンツGクラス

カラカルはベンツGクラスの新しい464シリーズシャーシをベースにしている。ベンツGクラスというと高級SUVとして有名で、その厳ついフォームの車両を街中で見たことある人も少なくないと思う。もともと、Gクラスは軍用車両の「ゲレンデヴァーゲン(Geländewagen)」を民生品化したもので、1979年からNATOで正式採用されている歴史と実績ある車両になる。世界中のあらゆる場所で普及するGクラスをベースにしていることもあり、メンテナンスが容易でサプライチェーンを利用できるのも大きなメリットだ。

空挺車両

© 2023 Rheinmetall AG

Gクラスをベースにしたカラカルは車種としては”Air Assault Vehicle(空挺車両)”に分類され、空挺部隊や特殊部隊のニーズを満たすように特別に設計され、空中作戦の全領域をカバーできるよう幅広い機能を実現している。

全長4.35m、幅1.81 m、高さ1.85mとコンパクトな機体設計、重量4,900kgの車体は、大型輸送ヘリのCH-47 FチヌークやCH-53 Kキングスタリオンの機内に最大2台搭載できる。もちろん吊り下げによる空中輸送も可能だ。6気筒249馬力のディーゼル エンジンが搭載されており、最大速度は140km/h、最大60%の勾配、33cmの障害物を登ることができ、幅50cmまでの溝を越えることができる高い機動性とオフロード能力を備えている。防護力に関してはオプションでNATO規格のSTANAG 4569 (弾道および地雷防御)のモジュール装甲を追加することができる。

通常は4人乗り、積載量1.5tだが、独自のモジュール設計により、カラカルは単純な部隊輸送車両から、救急車、補給車両など様々な役割で作戦に従事することができる。

三社で共同生産

カラカルはメルセデスベンツがシャーシの生産を担い、民間および軍事用途向けの防護車両を製造するArmored Car Systemsが上部部分を製造、そして、軍需企業のラインメタルが最終的な組み立てを行い、軍に納品する。既にドイツ向けに最大2,054台、オランダ向けに最大1,004台の生産が決まっており、最初の試作モデルの納入は早ければ2024年の第1四半期に行われる予定で、連続納入の開始は2025年初めに予定されている。  

Source

Air assault vehicle Caracal | Rheinmetall

ベンツGクラスベースの特殊空挺車両カラカル
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