中国、装甲を破壊せず、戦車内部を破壊する運動エネルギー兵器を実験

中国、装甲を破壊せず、戦車内部を破壊する運動エネルギー兵器を実験
US Army

中国は戦車に致命的な損傷をもたらす運動エネルギー兵器を開発、実験を行った。テストの結果、この兵器は見た目、明らかな外傷を与えられなくとも一度の攻撃で戦車に致命的な損傷を与えることができる可能性があることが分かった。

中国メディアの報道では、この兵器から射出される重さ20kgの個体球体は音速の4倍の速度で飛行する。通常の戦車砲弾がマッハ4~5と言われているので飛行速度は変わらないが、発射体はおよそ25メガジュールの運動エネルギーを運ぶ。戦車砲の砲弾が20メガージュール前後言われるので運動エネルギーとしてはかなりの数字になる。報告書によれば、この兵器から射出される球体が戦車に衝突すると、一見、装甲には損傷が無いように見えるが、装甲はのままに内部システムに壊滅的な損傷を引き起こす可能性があると主張している。  

運動エネルギー兵器といっているので、射出される球体にはおそらく炸薬などの爆発物は搭載しておらず、質量、弾頭硬度、速度といった球体自身が持つ運動エネルギーによって対象を破壊する兵器ではあると思われる。この手の兵器というと戦車砲弾のAPFSDS弾がある。これは弾頭の先端がニードル状になっており、運動エネルギーの力によって強固な戦車装甲を貫くことを目的した砲弾だが、今回、中国が開発して兵器は戦車になんらかの内部衝撃を与えるものと思われ、12月8日号の学術誌「Equipment Environmental Engineering」に掲載されている研究結果によれば、発射体の衝突衝撃により戦車内部のボルトやパーツが変形し、主要コンポーネントが損傷する可能性があり、戦車が使用できなくなると説明している。

中国の科学者は米国のエイブラムス戦車のような40~60トン級の主力戦車に致命的な損傷を与える能力があると明かしている。

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