チェコ軍がトヨタのハイラックスを軍用車として採用

チェコ軍がトヨタのハイラックスを軍用車として採用
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2020年11月5日、チェコ国防省の発表によると、チェコ軍は現在使用中のイギリスのランドローバーと旧ソ連製のUAZ 469ら4×4輪駆動の軽戦術車両から置き換える車両としてトヨタのハイラックスを選択しました。これにより、2021年から2024年にかけて最大1,200台のハイラックスがチェコ軍に納入されます。

ランドローバーはイギリスの高級四輪駆動車メーカーで商用カーブランドしても有名ですが、昔からイギリス軍の車両を開発しており、軍用車メーカーとしても有名でチェコ軍ではLAND ROVER DEFENDER (写真上)をベースにした車両を採用していました。UAZ 469(写真下)は旧ソ連時代の1970年代から使用されている4ドア7人乗りの軽軍用車です。どちらも採用から40年以上経っており、これに代わる車両として最大5人の軍人と戦闘装備を搭載できるピックアップトラックという条件のもと、今夏に入札が行われ、10件の入札があったなか、ハイラックスを提供するGlomexMS社が選ばれました。

軍用車として人気のハイラックス

トヨタ・ハイラックス (Hilux) は、トヨタ自動車が1960年代から製造・販売している全長5.3m、最大1トンの積載能力をゆうするピックアップトラックで、現在発売されているのは8代目になります。日本では道路事情の関係であまり目にすることは少ないですが、オフロードでの走破性、日本車特有の高い耐久性もあり、海外では絶大な人気を誇っており、カローラの次に売れているトヨタ車です。特に道路事情などインフラがあまりよくない東南アジアや中東、アフリカでよく見かけられます。その性能は軍からも評価されており、これらの国で軍用車としても使用されています。中東に展開する米軍特殊部隊では、ハンビーとは違い、街中を走っても目立たないことから、ハイラックスを特殊作戦で使用することもあります。これは軍だけではなく、PMC(民間軍事会社)やテロリスト、民兵武装組織も同様で市場車を改造して機関銃を搭載するなどして使っており、イスラム国もハイラックスを主力をとしていました。トヨタの本意ではないと思いますが、軍用車として絶大な人気を誇っています。

今回、チェコ軍に納入されるハイラックスはもちろん市場向けの車がそのまま納入されるわけではなく、GlomexMS社によって防弾や機銃を搭載するためのアタッチメントなど軍用車向けのカスタマイズが行われると思われます。

https://www.armyrecognition.com/defense_news_november_2020_global_security_army_industry/czech_army_selects_the_toyota_hilux_pickup_as_new_standard_4x4_tactical_vehicle.html

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