ロシア軍はサーモバリックランチャー「TOS-1」を装輪化した新しい多連装ロケットシステム「TOS-2」をウクライナに実戦配備した様子を公開した。
Russians claim to be using the newest TOS-2 "Tosochka" at the front. 🤣🤣🤣 pic.twitter.com/EM3O2DRFld
— PStyleOne1 (@PStyle0ne1) October 17, 2023
ロシアの国営メディアRIAによれば、ロシア軍北部軍管区はウクライナの戦線に新型の多連装ロケットシステム「TOS-2」を配備した。TOS-2は2020年6月の第75回戦勝記念日軍事パレードで初めてお披露目され、2021年から量産、運用が始まっている。ロシアのタス通信は昨年5月にウクライナでTOS-2を使用したと報じていたが、映像や写真といった形でウクライナの戦線で確認されたのは今回が初になる。
TOS-2とは
🎥ロシア軍は、重火力投射システムTOS-1A「ソンツェペク」の改良型であるTOS-2を軍事作戦地帯で使用した。… pic.twitter.com/Qv0BvkEeLZ
— Sputnik 日本 (@sputnik_jp) October 17, 2023
TOS-2はサーモバリックランチャーを搭載するTOS-1/1Aの改良型になる。TOS-1は2001年に開発された多連装ロケットシステムで、220mmロケットランチャーにはサーモバリック爆薬、いわゆる燃料気化爆弾を搭載したロケット弾を搭載。主に対人、拠点制圧に使用されている。TOS-1と改良型のTOS-1AはT-72主力戦車のシャーシを使用した履帯式だが、新しいTOS-2のシャーシにはウラル63706-0120全地形対応装甲車両を使用、装輪化されている。悪路での走破性は下がったが、整地での機動性が向上している。
機能的にも前身のTOS-1Aよりバージョンアップされており、ロケット再装填用クレーンの追加、新しい射撃管制システム(FCS)を搭載している。TOS-1AのFCSは弾道コンピューター、レーザ距離計、追尾照準器からなり、自動でランチャーを標準に向け、発射の制御は自動的に行われていた。車両が停止した瞬間から目に見える目標に対して発射する準備ができるまでの時間は90秒とされていたが、TOS-2のFCSはこれより何かしらの機能が向上したことになる。
ランチャーの発射管数についてはTOS-1の30連、TOS-1Aの24連から。18連と大幅に削減。火力は減ったが、射程がその分射程が延長。TOS-1Aの最大射程は6kmだったが、TOS-2では10~15kmになっており、戦車や対戦車ミサイルの射程外から攻撃できるようになった。最大6ヘクタールの土地を一度に焼き尽くす。