ロシア軍はウクライナ東部の戦線でMT-LB装甲牽引車に大量の爆薬を搭載して、ウクライナ軍陣地に突っ込ませる特攻を実施。その様子はドローンによって鮮明に捉えられていました。
Russians are using MT-LB's stuffed with explosives as VBIED's to attack Ukrainian positions. This one hit a mine. Earlier, Russians did the same with T-55 tanks. pic.twitter.com/1et6Xgfb3y
— NOELREPORTS 🇪🇺 🇺🇦 (@NOELreports) November 16, 2023
ウクライナ東部ドネツク州のヴォディアノエ村周辺で撮られたとされる映像では平野の中を進む一両のMT-LB装甲牽引車が確認できます。すると、兵士が一人、車両から飛び降ります。兵士は一目散に車両とは逆の方向へ走ると、破壊された車両の残骸の陰に隠れます。すると、間もなくして、MT-LBが大爆発します。爆発の規模は明らかに地雷や対戦車ミサイルによるだけのものではありません。そう、このMT-LBには大量の爆薬が搭載されていたのです。車両をウクライナ軍の陣地に突っ込ませて、車両ごと陣地を破壊することが目的で、例え、陣地に着く前に破壊されても、これだけの爆発の威力であれば、陣地近くで爆発させるだけで外にいる兵士に損害を与えることができます。車両事態は無人で、飛び降りた兵士はおそらくMT-LBのエンジンを始動させ、ハンドルとアクセルを固定する役目だったと思われます。ただ、車両はあいにく途中で地雷を踏んで爆発してしまいます。ウクライナ軍の陣地は推測する奥に見える農地を区切るようにライン上に植えられた林の部分と思われ、だとすれば、だいぶ前で爆発したことになり、攻撃は失敗します。周囲には破壊された車両が複数確認でき、正攻法では戦線の突破が難しいと考えた苦肉の策かもしれません。
ロシア軍がT-54/55戦車に爆薬を満載して、ウクライナ軍陣地に突っ込ませて、大爆発する映像が撮影されました。[adcode]⚡️The 🇷🇺Russian military sent a T-54/55 tank[…]
ロシア軍がこのような攻撃を行うのは今回が初めてではなく、前には古いT-55戦車に同様に大量の爆薬を積んでウクライナ軍に突っ込ませる様子が確認されています。T-55は戦後間もない頃に開発された第一世代戦車であり、今回使用されたMT-LB装甲牽引車も1960年代に開発された古い兵器です。ロシアはこれら骨董兵器を本来の用途で運用せず、魔改造したり、特攻兵器として使用しているのが確認されています。