軽戦車を必要とするインドはロシア、イスラエル、韓国製の3つを検討しています

軽戦車を必要とするインドはロシア、イスラエル、韓国製の3つを検討しています

インド軍はカシミール、ラッドといった中国との国境線での武力衝突(中印国境紛争)に対処するために350輌の軽戦車の調達を計画しています。現在、その候補はロシア・ボルゴグラードトラクター社のSprut(スプルート)、イスラエル・エルビットシステムズ社のSabra(サブラ)、韓国・ハンファ社のK21-105の3つに絞られています。

ロシアのスプルートが最有力

Sprut-SD|水陸両用、空中投下できる対戦車自走砲
Sprut(©Rostec)

その中でも最も関心があるのがロシアのスプルートとされ、インドのラジナート・シン国防相はロシアを訪問し、スプルートを視察する予定だとデリーの軍筋は述べています。インドの兵器は主にソビエト・ロシア製が占めており、最近でも主力小銃としてロシアのAK-203、戦闘機のMig-29を購入しています。しかし、今回、350輌という大量購入のため、ロシア一択ではなく、イスラエル、韓国製も含めた3つのコンペで比較検討するようです。

とはいえ、インド軍の主力戦車の大半はソ連時代のT-72とT-90が占めています。この二つは125mm滑空砲を装備、スプルートも同じ125mm砲を搭載しており、同じ砲弾が使用できるなど兵站の面で大きなメリットがあります。その上、水陸両用車でもあり、軽量で空中投下も可能で、国境地帯の複雑な地形においても迅速な配備が可能です。だが、スプルートはまだ開発の途中であり、現在、運用へ向けて最終試験の真っ只中で量産は来年以降になります。

Sabra(Elbit Systems)
Sabra(Elbit Systems)

イスラエルのサブラは105mmを搭載する30トンの軽戦車で履帯駆動と装輪駆動の2種類があり、フィリピン軍などが導入しています。

K21-105(hanwha-defense)
K21-105(hanwha-defense)

韓国のK21-105のベースは歩兵戦闘車でK21のシャーシに105mmを搭載した25トンの軽戦車です。

軽戦車の配備が急務

中印国境地帯はエベレスト山脈をかかえる高地山岳地帯です。この複雑な地形と気候では通常の主力戦車の運用が難しいとされており、戦闘は歩兵と軽火器が主力になります。だが、2020年6月の衝突以降、中国はここに山岳地帯でも運用可能な15式軽戦車を200輌をチベット軍管区に配備しています。もし、今、全面的な武力衝突が起これば、インド軍は火力において圧倒的に不利です。時間を考慮するのであれば、既に運用実績があるサブラが最有力です。

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