Sprut-SD|水陸両用、空中投下できるロシアの対戦車自走砲

Sprut-SD|水陸両用、空中投下できる対戦車自走砲
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ロシアの「Sprut(スプルート)-SD」対戦車自走砲。スプルートはロシア語で”タコ”意味し「Octopus(オクトパス)-SD」」 とも呼ばれ、その名の通り、タコのように水上を移動できる世界唯一の水陸両用対戦車自走砲です。

万能自走砲

「2S25 Sprut-SD」はロシアの防衛企業ボルゴグラードトラクター工場合資会社が開発した対戦車自走砲です。空挺部隊の上陸支援用の車輛として軽量で強力な火力、機動力をようする車両として開発されます。

重量は18トンと空挺歩兵戦闘車のように軽量で軍用輸送機で輸送し、乗組員と一緒にパラシュート投下を行うことができます。軽量ボディには似合わない強力な125mm対戦車滑空砲を搭載し、攻撃力はT-90戦車と同等です。地上では給油せずに500 kmの距離を航行し、整地で時速70km/h、水上では10km/hと機動力はBMD-4M歩兵戦闘車両と同等です。そのためSprut-SDは軽戦車、駆逐戦車、空挺戦闘車と多様な名称で呼ばれていますが、ロシアでは対戦車自走砲に分類しています。

写真 ロシア空挺軍

開発は1990年代から始まり、2005年に最初の契約が行われロシア空挺軍用に最大85〜110輌の契約がなされるも2009年までに納入されたのは僅か24輌のみ、火災トラブルや燃料漏れや、100mm滑空砲を搭載し、Sprut-SDと同等の能力をゆうするBMD-4戦闘車が登場したこともあり、2010年には生産がキャンセルされます。

スペック

Sprut-SDには125 mm対戦車砲を備えた2人乗りの砲塔が装備されています。これはT-90の主砲から派生したものです。主砲には自動装填装置が装備されており、通常の戦車砲弾と誘導ミサイルが装填でき、毎分6~8発の高い発射率がゆうします。砲弾の搭載数は最大40発。戦車砲の射程は2.5km、ミサイルは5kmです。レーザー距離計・照準器と弾道コンピュータをゆうする火器制御システムを搭載。副武装として同軸7.62 mmPKT機関銃を搭載しています。

軽量化と機動力のために装甲は最低限しかなく、12.7mm弾までしか耐えられません。NBC保護と自動消火システム、対赤外線用の発煙手榴弾発射装置を装備しています。

改良版Sprut-SDM1

キャンセル後は生産が停まっていましたが改良版の「Sprut-SDM1」が開発されます。Sprut-SDの欠陥の改善と新しい車両には、ネットワークで統合された戦術制御システム機器を設置することにより、コマンド制御が改善されました。戦闘力は新しいデジタル火災制御システムによって強化されています。

2020年12月には黒海で水上航行能力のテストが実施され、Sprut-SDM1はこれといった水中用の装備無しに水上を航行し、その能力の高さを示しました。水陸両用車はいくつかありますが、水陸両用”自走砲”としては現在、Sprut-SDM1が唯一の車輛です。

Sprut-SDM1は2021年から2022年にかけて最終試験が行われる予定になっています。

Source https://tass.ru/armiya-i-opk/10278465?utm_source=warfiles.ru

https://rostec.ru/news/tank-sprut-sdm1-uspeshno-ispytan-na-more-i-v-subtropikakh/?sphrase_id=233545

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