イエメンに現れた30mm砲塔を搭載したトヨタ・ランドクルーザー

世界で絶大な信頼を得ている「TOYOTA」。商用車のイメージが強いトヨタですが、世界の軍や武装組織やゲリラの間ではトヨタのハイラックス、ランドクルーザーといったSUVが圧倒的な人気を誇っており、防衛企業が独自に装甲化したバージョンを機動車両として販売、世界中の軍で使用されています。それに対し、武装組織やゲリラはこの2つの車両に無限の可能性を感じているようで、大型の対空砲やロケットランチャーを搭載するなど、規格外れの突拍子もない改造を行うことでも有名です。イエメンの反政府勢力の武装組織フーシ派もそんな組織の一つで、トヨタ車を独自開発して戦闘車として使用しています。

BTR-80A
Russian Federation Defence Ministry

イエメン内戦下のフーシ派の車両として登場したのが、30mm砲塔を搭載したランドクルーザーです。もちろん、こんな車両を製造するメーカーはなく、同組織が独自に改造したものと思われます。車両はヨルダンのアブドゥッラー2世国王設計開発局(KADDB)によって製造されたトヨタランドクルーザー79シリーズの装甲化版になり、おそらく政府軍から鹵獲したものと思われます。砲塔に使用されているのはロシアで開発製造された装甲兵員輸送車BTR-80Aに搭載されていたもので2A72 30mm機関砲と同軸7.62mm機銃が搭載されいます。BTR-80Aは政府軍が使用していたものになり、これも鹵獲もしくは破壊した車両から取り外したものと思われます。それをランクルのルーフに装着しました。これによりもともと非武装だったランクルは最大4,000mの射程を誇る攻撃能力を得たことになります。従来のスペックであれば 2A72 30mm機関砲は非装甲で4,000m 、ヘリといった空中目標で2,000m、軽装甲車両で1,500mの範囲で有効な打撃を与えます。発射速度は300発/分、初速960m/s、最大6000発装填します。昼夜対応の照準器も搭載されています。

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Toyota Land Cruiser with a 30mm turret that appeared in Yemen
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