米陸軍の新しい戦場のタクシーAMPV兵員輸送車が配備、今後、M113の退役は加速します

米陸軍の新しい戦場のタクシーAMPV兵員輸送車が配備、今後、M113の退役は加速します
US Army

ジョージア州の米陸軍フォート・スチュワート駐屯地の陸軍第3歩兵師団の第1装甲旅団戦闘チームは”AMPV装甲兵員輸送車”の最初のバッチを受け取りました。第3歩兵師団は、M1A2エイブラムス SepV3戦車、M2A4ブラッドリー歩兵戦闘車、M109A7パラディン自走榴弾砲と最新版の車両を既に配備しており、米陸軍の中で最も近代的な部隊となります。

M113
M113(US Army)

AMPVはArmored Multi-Purpose Vehicle(多用途装甲車両)の略で装甲兵員輸送車M113ファミリーに代わる車両として開発されました。M113は1960年のベトナム戦争から装甲兵員輸送車として長年使用されており11名の兵員を輸送できることから「戦場のタクシー」と呼ばれています。しかし、軽装甲で、地雷やIED(即席爆発装置)に弱く、現代の紛争地帯、前線において兵員を安全に輸送することが難しくなっています。1980年代には6名の兵員を輸送できるM2ブラッドレー歩兵戦闘車が登場しますが、M2ブラッドレーは高価で汎用性にかけ、どちらかというと戦闘寄りでした。その後、開発された装輪式のストライカー装甲車やMRAP(耐地雷・伏撃防護車両)はペイロード、オフロードの走行能力が欠け、米陸軍が満足するものではありませんでした。そこで、開発されたのがAMPVです。

AMPV
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AMPV 米軍の新型装甲兵員輸送車

AMPVは2名の乗員、兵員輸送は6名と兵員11名が乗車できるM113に輸送能力は劣りますが、防護力が高く、多用途というように汎用性も高い、またシャーシ、エンジン、トランスミッションなどはM109自走榴弾砲やM2ブラッドレー車両と同じで、メンテナンス、ロジスティクスの面で大きな効率化をもたらします。

AMPVはM2ブラッドレーを製造するBAEシステムズが開発しており、2015年に総額107億2,300万ドルで製造契約を受注しています。2023年度の予算請求で72両のAMPVを計上しており、今年中に米陸軍は72両を受領する予定であり、2024年には197両の調達を予定、最終的には2,897両の調達を予定しています。AMPVの配備により、M113はようやく本格的な退役が進むと思われます。米陸軍は6,000両ものM113を保有しています。汎用性、輸送能力が高いM133は未だ海外では人気が高く、ウクライナに多数が供与されています。退役する車両の多くは引き続きウクライナ提供され、海外の友好国に売却されることになるでしょう。

Source

https://www.militarytimes.com/land/2023/03/14/first-unit-gets-new-armored-multi-purpose-vehicles-replacing-old-m113s/

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