古い戦車は要らない!ウクライナは鹵獲したT-62をハイブリッド装甲戦闘車として再利用します

古い戦車は要らない!ウクライナは鹵獲したT-62をハイブリッド装甲戦闘車として再利用します
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ウクライナ軍はロシアから鹵獲したT-62戦車を戦車として利用するのではなく、BMP-2歩兵戦闘車の砲塔を搭載し、ハイブリッド装甲戦闘車に改修して、再利用しています。

ウクライナ軍はこれまで500両以上の戦車をロシア軍から鹵獲しています。同じソ連系兵器を運用していることもあり、ほぼ、手を付けずに、そのまま自軍戦力に再編入して利用していますが、鹵獲したT-62戦車はどうやら、モデルとして古すぎたようで戦車ではなく装甲戦闘車に改修して再利用しています。

鹵獲したT-62は戦車として最も重要な砲塔が取り外され、そこにBMP-2歩兵戦闘車の砲塔を搭載。T-62のシャーシにBMP-2の砲塔というハイブリット装甲戦闘車に改修しています。T-62には115mm滑腔砲が搭載されていましたが、これはBMP-2の30mm機関砲に置き換わるので、攻撃力は大分下がります。しかし、BMP-2の装甲が33mmだったのに対し、前面装甲は242mm、側面装甲が153mm、装甲が最も薄い上面でも40mmと装甲戦闘車としては防護力は大分上がります。ただ、機動力はT-62ベースになり、最高速度50km/hとBMP-2の65km/hよりも鈍足に、そもそもベースは戦車なので、車内に歩兵を乗せることはできないので、BMP-2の歩兵戦闘車としての特性はほぼ失われます。しかも、T-62とBMP-2には全く互換性が無いので、2つは完全にフィットせず、砲塔は回転しない固定砲塔になり、利便性はかなり落ちます。

115mm砲弾がない

なぜ、T-62をそのまま運用しないかというと、ウクライナ軍には115mm砲弾が無いためです。ウクライナ軍はT-62と同じ115mm滑腔砲を搭載していたT-64戦車を運用していますが、1975年以降、125mm滑腔砲に置き換わっており、115mm砲版は無く、砲弾の在庫がありません、なので、T-62を鹵獲しても運用のしようがありませんでした。BMP-2は車体が損傷した砲塔のものを利用しており、無駄が無く、ニコイチで新しい装甲戦闘車を生産している形です。ウクライナは5月10日時点で44両を鹵獲しており、今後、このハイブリッド装甲戦闘車は増えるかもしれません。

T-62戦車

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T-62は1965年にロシア軍に正式配備された第二世代の主力戦車です。主砲には115mm滑腔砲を搭載。滑腔砲を搭載した主力戦車としては初であり、これは当時の米軍の主力戦車であったM48/M60パットンの105mmライフル砲よりも強力で、第二世代戦車としては最強といわれていました。ウクライナへの侵攻前、ロシア軍が配備する戦車としては最も古いモデルで、少数しか配備されていませんでしたが、昨年5月からウクライナに投入。戦車の損失が激しい中、倉庫に眠っていた車両を大量に投入しており、ロシアはウクライナに800両を投入するため、改修を急いでいます。

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