トルコ、戦場のタクシーことM113装甲兵員輸送車を無人車両に改良

FNSS

トルコの軍需企業FNSSはベトナム戦争時代に登場した古いM113装甲兵員輸送車を改良し、多用途無人車両として生まれ変わらせました。

トルコの装甲車両メーカーであるFNSSは、M113装甲兵員輸送車に自社が開発した人工知能がサポートする自律キット「SHADOW RIDER FoV」を搭載。遠隔操作と自律行動で戦場の監視や火力支援の役割を果たす無人装甲戦闘車両(UGV)に改良しました。

SHADOW RIDER FoVは、人工知能がサポートする自律キット。意思決定支援システム、センサースーツ、位置および状況認識システムのおかげで、戦場での兵士の負担を軽減し、全範囲の任務においてユーザーの戦力を倍増するシステムソリューションです。

SHADOW RIDER FoVには、FNSSが開発した自律キットが装備されており、パトロール、追跡、軍事基地への帰還などの自動運転モードと、安全な走行のためのさまざまな保護機能を備えています。この自律キットは、技術開発の迅速な適応を可能にするオープンアーキテクチャ設計を特徴としています。

遠隔操作と自律行動による偵察と監視、後方支援、戦術的欺瞞、要塞陣地の偵察、通信中継、医療避難、火力支援などあらゆる種類の任務に対応できる無人地上車両ファミリーであり、用途・任務によって、装備を変えることができます。火力支援ミッション用に設計された武装型では、人間が常に意思決定プロセスに関与し、AIが独断で火力を使用することはありません。また、有人による操作も可能で、4500kgのペイロードにより、本来の装甲兵員輸送車としても使用できます。

イスラエル軍のM113

M113は1960年のベトナム戦争から装甲兵員輸送車として長年使用されており11名の兵員を輸送できることから「戦場のタクシー」と呼ばれています。しかし、軽装甲で、地雷やIED(即席爆発装置)に弱く、現代の紛争地帯、前線において兵員を安全に輸送することが難しくなっています。しかし、延べ8万両が生産されたM113はまだ、世界中に多数残っており、米陸軍だけでも6000両を保有。ウクライナにも各国から数百両が供与されています。しかし、述べたように現代戦で使用するには装甲が貧弱です。そこに目を付けたFNSSはM113の強化型の開発を以前から行って、追加装甲、砲塔などを開発しています。今回、登場したM113のUGVもその一環です。兵員輸送という本来の目的からは外れますが、無人化することで引き続き強度の高い前線でも活用できます。

Source

https://www.fnss.com.tr/en/products/shadow-rider-unmanned-ground-vehicles/shadow-rider-photos

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