タイプXロボット無人戦闘車両(RCV)は未来の戦争の形です

無人戦闘車両タイプXロボット戦闘車両(RCV)は未来の戦争の形です
写真 Milrem Robotics

無人航空機(UAV)が当たり前になった今、無人機の開発は空から地上の無人車両の開発が活発化しています。エストニアのロボット工学企業であるMilrem Robotics(ミルレム・ロボティクス)社が開発した無人戦闘車両”TypeX Robot Combat Vehicle (タイプエックスロボット戦闘車両:RCV)”は地上で戦う兵士を減らし、戦場の形を変えるものです。

有人兵器をサポートする

RCVの目的は有人兵器からなる本隊を護衛、サポートするのが役目です。部隊の目となり耳となり、部隊から先行して偵察行い味方に情報を伝えたり、待ち伏せ攻撃や陽動を行い部隊をサポートします。これは本来危険な任務ですが、無人のため、仮に敵に見つかっても人員を消耗せずに済みます。本隊と共に行動する際はその武装をもって火力支援を行います。

遠隔操作からAIによる自律行動が可能

RCVは重武装の無人軽戦車です。車両に人は乗っておらず遠隔操作されます。強化された人工知能 (AI) と遠隔システムオペレータを組み合わせすことで、有人の部隊と共に編隊を組んで、部隊をサポートしたり、独立した無人編隊を組んで自律行動させることも可能です。

超軽量・コンパクト戦車

”TypeX Robot Combat Vehicle (タイプエックスロボット戦闘車両:RCV)
写真 Milrem Robotics

RCVの重量は12トンと主力戦車と比べると重量は約5分の1、他の装甲戦闘車輌と比べても軽量です。サイズは全長600cm、幅290cm、高さ220cmと非常にコンパクトです。この軽量設計により、輸送機による空中輸送が可能な上、上空からのパラシュートにより空中投下、大型ヘリによるロープスリング輸送が可能など、柔軟で迅速な展開力が特徴です。

車体が小さいため、茂みなどに潜みやすく偵察や待伏せ攻撃に適しています。その上、エンジンはハイブリッドディーゼル電気駆動エンジンとバッテリーが搭載されており、バッテリーの電気駆動によって1時間のサイレントドライブまたは24時間のサイレント監視が可能です。その上、熱痕跡も少ないのでレーダーに探知しずらくなっています。さらにより静かな走行のために金属履帯ではなくゴム履帯を使用しています。これらはメンテナンスのコスト削減にも繋がっています。

最高速度は道路で80km/h、不整地で50km/h、走行距離は600kmになります。

武装

RCVの砲塔にはCPWS IIと呼ばれる多機能の第2世代コッケリル保護兵器ステーションが搭載されいます。これによるミッションのニーズに合わせて3つのモードで砲塔の武装を換装できます。ブラッドリー戦闘車両に使われているM242ブッシュマスター25mm機関砲、M230 30mm機関砲、M811 25mm機関砲と様々な口径の機関砲を装備できます。その他、ジャベリン、スパイク、アルコタン、MMPなど対戦車ミサイルにも対応しており、軽装甲車か戦車にも対応する火力を持っています。これらは速やかな換装が可能です。砲塔には遠隔観察を可能とするために360°パノラマ視野を提供し、CCDとサーマル・暗視カメラを装備しています。

”TypeX Robot Combat Vehicle (タイプエックスロボット戦闘車両:RCV)
写真 Milrem Robotics

RCVの車両シャシーは、モジュール設計されたプラットフォームで多目的車両の役割を果たす革新的な設計です。将来的には砲塔部分を換装することで対空システム、レーダー、迫撃砲などより幅広い用途に広げる予定です。実際、既にイスラエルのUvision社と偵察・自爆ドローンを射出するRCVのランチャーシステムを開発することで同意しています。

RCVは2020年度中にプロトタイプが完成する予定です。米陸軍は既に機械化歩兵部隊用にRCVを調達することを計画しています。

https://milremrobotics.com/type-x/

 

無人戦闘車両タイプXロボット戦闘車両(RCV)は未来の戦争の形です
最新情報をチェックしよう!
>戦車の情報を中心に発信するワールドタンクニュース

戦車の情報を中心に発信するワールドタンクニュース

戦車、戦闘車、装甲車といった世界の軍の地上車両のニュース情報を発信します。

CTR IMG