「折り畳み式」の砲身を備えた珍しいT-62戦車の写真がSNS上に登場しました。
折り畳み式の砲身というと『機動戦士ガンダム0083』に登場した”ザメル”などアニメやゲームなどでは見たことありますが、実際の兵器では見たことはありません。そもそも、砲身は密閉して発射時の超高圧によって砲弾を押し出し、それに耐えるように設計されているので、折り畳み式にすると強度と密閉性が失われかねません。
ロシアの掲示板サイト「otvaga」のユーザー間の投稿によれば、この写真はアフガニスタンで撮られたもので、ソビエト軍限定派遣団(OKSVA)の第40諸兵科連合軍に所属したいた戦車になり、ソ連がアフガニスタン侵攻を行った1979~89年の間に撮られたものと思われます。
T-62はT-55の後継として1950年代に開発が始まり、1965年に登場した第二世代主力戦車です。T-55の100mmライフル砲から115mm滑腔砲に代わり、世界で初めて徹甲弾のAPFSDSを採用した戦車です。1970年末期まで約2万両が生産され、現在でも中東やアフリカ諸国では主力戦車の一つとして運用されています。
冒頭の写真のT-62の折り畳まれたように見える砲塔ですが実際は折り畳み式でなく、切断、溶接してくっ付けられたものと推測されており、戦車は整備・修理のための輸送前の車両で、運ぶ上で邪魔な砲塔を切断したのではと推測されています。切断した砲身はおそらく、もう使用できないので、車両はT-62Mといった近代化改修され新しい砲塔が搭載、または砲塔部分を取り除き、シャーシを自走砲や装甲車など他の車両に転用された可能性があります。
ズベズダ 1/35 ソ連軍 T-62 主力戦車 プラモデル ZV3622 成型色