アメリカ陸軍の主力戦車である「エイブラムス」を開発製造するジェネラル・ダイナミクス・ランド・システムズ (GDLS)は次世代エイブラムスの「エイブラムスX」の詳細の一部を明らかにしました。
フルリニューアルされるエイブラムス
GDLSは10月7日、エイブラムスXに関する新しい動画を公開し、その外観も明らかになっています。砲塔は一新され、無人砲塔化、自動装填が採用されます。結果、乗員の生存性が上がると共に、少なくとも装填手が不要となり、現在4人の乗員は削減されます。砲塔部分にハッチはなく、乗員はおそらくロシアのT-14戦車同様、車体下部に収容されます。AIが採用され、自律機能が付与、乗員のタスクは軽減される上に自動化されることで射撃速度や精度など攻撃能力は向上します。主砲の口径は変わらず120mmのようですが、射撃管制装置にはフランス製の新しい「PASEO」の搭載が予想されています。パセオはフランスのサフラングループが製造している最新世代の超長距離観測・攻撃サイトです。この光学システムには360 度のパノラマ ビュー、冷却サーマル イメージャー、範囲7kmのレーザー距離計、オフロード地形でのパフォーマンスと耐久性を向上させる 2 軸安定化機能が備わっています。また砲塔上部の遠隔操作兵器ステーションにはノルウェー製の「30x113mm RS6 RWS」が搭載されるとされます。30mmチェーンガンの他にM240機関銃、ジャベリン対戦車ミサイル、40mmグレネードが搭載可能です。
SEPv3バージョンで搭載されているアクティブ保護システム(APS)も標準搭載されると思われます。
燃費は50%削減
エイブラムスの課題であった燃費についても燃料消費量を50%削減。おそらく騒音が少ない電動エンジンが採用されるとされ騒音が減り、熱検知されにくくなるなどステルス性が向上します。
軽量化
現在、米陸軍が運用するM1A2エイブラムス戦車は新たな脅威に対抗すべくマイナーバージョンをアップを繰り返し、重装甲化。当初62.1tだった重量は最新のSEPv3バージョンでは72tと10tも重くなっており、これまで主戦場としてきた中東では問題ありませんでした、中国を念頭においた太平洋やヨーロッパで運用した場合、活動範囲に制限があるのは明らかで輸送方法にも制限がありました。エイブラムスXでは大幅に軽量化される予定で、運用範囲は広くなる予定です。
現在、GDLSはSEPv3 の改良版であるSEPv4を開発中で、2025年までに導入される予定もなっており、それを考えると、エイブラムスXのバージョンが登場するのはそれ以降になります。
Source
https://www.thedrive.com/the-war-zone/abramsx-next-generation-main-battle-tank-breaks-cover